更新日:2026年07月28日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
AGA治療を検討する中で「しないほうがいい」という声を見て不安な方もいるかもしれません。AGA治療は状況に応じて、必要な人としないほうがいい人がいます。AGA治療はしないほうがいいと言われる理由は、副作用のリスクや治療継続の必要性、費用などです。しかし、AGA(男性型脱毛症)は自然治癒が難しく、放置すると進行する場合があります。まずは医師に相談し、治療の必要性を見極めて判断するのも一つの方法です。
AGA治療は一律に「しないほうがいい」わけではありません。AGA(男性型脱毛症)は進行性で完治しない疾患です。自然治癒は難しく、症状の改善には医学的な治療が必要です。
一方で、体質や考え方によっては治療しない選択肢もあります。AGA治療には薬を用いるため、副作用リスクはゼロではありません。また、髪の状態を維持したい場合は、継続的な治療が基本です。治療費もその分かかります。これらの懸念から「AGA治療はしないほうがいい」と考える人もいるのです。
どちらの選択肢も間違いではありません。大切なのは、自分にとってのメリット・デメリットを知ることです。事前にAGA治療について理解しておけば、後悔のない判断ができます。
AGA治療はしないほうがいいと言われる主な理由は、副作用や治療継続の必要性、費用、効果実感までの時間の4点です。いずれも治療を検討するうえで知っておきたいポイントです。内容を正しく理解すれば、不安の解消につながります。
AGA治療がためらわれる理由の一つに、治療薬による副作用のリスクがあります。内服薬のフィナステリドやデュタステリドでは、性機能障害や肝機能障害(頻度不明)などが報告されています。たとえば、フィナステリドでは1~5%未満の発現率で性欲減退、デュタステリドでは1%以上で性機能不全などです。
また、外用薬のミノキシジルでは塗布した部位のかゆみや発赤などがみられることがあります。副作用には個人差があり、全ての人に起こるわけではありません。事前に医師に相談して説明を受けましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」 参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
AGAは完治が難しい脱毛症のため、薄毛の進行を食い止め続けたい場合は治療を継続する必要があります。治療薬はあくまで服用中に薄毛の進行を抑えるものです。服用を完全にやめると、数ヶ月かけて再び薄毛が進行し、治療前の状態に戻る可能性があります。服用を負担に思う場合は、自己判断で中断せず、まずは医師に相談しましょう。
AGA治療は公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用は全額自己負担です。費用相場は後発薬のフィナステリド錠で月3千円〜5千円程度、デュタステリド錠で月5千円〜8千円程度です。ミノキシジル外用薬は高濃度(10%〜15%)の場合、1本あたり1万円〜2万円程度、ミノキシジル内服薬は月5千円〜1万円程度とされています。

前述のとおり薬の効果を維持するには、治療を継続する必要があり、その分治療費もかかります。
AGA治療は、効果を実感するまでに時間がかかります。髪にはヘアサイクル(毛周期)があり、新しい髪が育つまでに一定の時間を要するためです。薬を使用してもすぐに見た目が変わるわけではありません。効果の実感には個人差がありますが、最低6ヶ月以上の使用が必要とされています。毎日のことですが、薄毛改善のために根気強く続けることが大切です。
AGA治療をしないほうがいい人の特徴は以下のとおりです。
AGAは全ての人に治療が必要なわけではなく、状況によっては治療をしない選択もあります。自分が特徴に当てはまるかどうか、確認しましょう。
薄毛の原因がAGAでない場合、AGA治療薬の効果は期待できません。抜け毛や薄毛は、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎に伴う脱毛、休止期脱毛症など、AGA以外が原因の場合もあります。原因によって対処法が異なるため、自己判断で薬を使わず、まずは医師の診察で原因を確かめることが大切です。
体質や持病によって副作用のリスクが高い人は、治療しないほうがいい場合があります。たとえば、フィナステリドやデュタステリドは肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害がある人は服用禁忌とされています。また、過去にフィナステリドやデュタステリドでアレルギー反応を起こしたことがある人も服用を避けるべきです。ほかにも、精液所見への影響が報告されているため、妊活中の男性は胎児への安全を考慮して、一時的に服用を中止するケースがあります。
なお、女性や未成年者もフィナステリドやデュタステリドの服用はできません。
薄毛が気にならない場合は、無理にAGA治療を始める必要はありません。AGAは直接健康を害する病気ではないため、治療するかどうかは自分の価値観を軸に判断できます。今の状態が気にならないのであれば、将来気になったときに改めて検討するのも一つの選択です。
AGA治療に対して、費用や時間のコストをかけたくない人は、治療開始のタイミングを慎重に考えたほうが良い場合があります。AGA治療は継続が前提のため、途中でやめるとそれまでの費用や時間が無駄になりかねません。
一方で、治療が遅れて薄毛が進むほど、治療法の選択肢が狭くなり、かえってコストがかかる場合もあります。たとえば、薄毛の初期段階であれば、薬のみで済むことがありますが、髪がほとんど残っていない後期段階であれば、薬と合わせて自毛植毛などを行わないと改善が難しい場合があります。
コスト面で継続が不安な方は、治療を始める前に無理なく継続できる費用感かどうかを確認しておくことが大切です。
AGA治療をしないままにすると、薄毛が進行して範囲が広がる可能性があります。また、進行してから治療を始めると、効果が実感しにくく改善までに時間がかかる傾向があります。薄毛により見た目が変わり、精神的な負担が増えることもあるため、いつ治療を開始するかをよく検討することが大切です。
AGAを治療せずに放置すると、薄毛が少しずつ進行して範囲が広がる可能性があります。生え際や頭頂部から薄くなり、細く短い毛が増えていきます。生え際の薄毛は自分でも気づきやすいですが、頭頂部は自分で見る機会が少ないため、薄毛に気づきにくい部分です。一度放置して、あとから見返すと「思いのほか進行していた」となる場合もあります。進行速度には個人差がありますが、できるだけ早めの対策が大切です。
AGAが進行してからでは、治療を始めても効果を実感しにくくなる場合があります。AGA治療薬は、今ある毛包に作用して髪の成長を促すのが特徴です。そのため、毛包の機能が低下した薄毛の状態が長く続いている場合では、改善に時間がかかる、または効果が得られないことがあります。気になり始めた早めの段階で治療を開始することで、今ある髪の維持や早期改善につながります。
薄毛が進行すると、見た目の変化が気になり、精神的な負担につながることがあります。髪は見た目の印象を左右する要素のため、薄毛によって人の視線が気になったり、自信が低下したりする方もいます。負担が大きくなる前に対策を検討することも、選択肢の一つです。
AGA治療をするか迷ったときは、治療のゴールや費用、原因の見極めを基準に判断するのがおすすめです。なんとなく不安なまま先延ばしにするより、ポイントを整理することで自分に合った選択がしやすくなります。
AGA治療を検討するときは、まず治療のゴールを決めておくことが大切です。「どの程度、髪を増やしたいのか」または「現状維持で良いのか」によって、選ぶ治療内容や費用が変わります。
ほかにも、治療するまでの期間を決めておくのも一つの方法です。たとえば、70歳まで治療するなど年齢で区切ったり、退職まで治療するなどライフスタイルに合わせたりなどが考えられます。
ゴールを決めておくと希望を医師に伝えやすくなり、AGA治療の長期継続に対する負担も軽減できます。
AGA治療は継続が前提のため、費用と続けやすさを事前に確認しておくことが大切です。月々の薬代に加え、対面診療では初診料や交通費がかかる場合もあります。
費用を抑えたい方は、ジェネリック医薬品の利用や、診察料が発生しないケースもあるオンライン診療の活用がおすすめです。これは、スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察を受けられるサービスです。クリニックによっては、薬の定期購入で費用を抑えられる場合もあります。自分にあったものを探してみると良いでしょう。
治療するか迷ったら、まずは医師に相談して薄毛の原因を確かめることがおすすめです。そもそも薄毛の原因がAGAでない場合もあり、それを判断するのは自分だけでは困難です。原因の特定が済んだら、現状にあった治療方針を提案してもらえます。医師の意見を聞けば、治療に対する不安も軽減されるかもしれません。
AGA治療をするか迷う方へよくある質問と回答をまとめました。判断の参考にしてください。
AGA治療は一度始めると一生やめられないのですか?
そのような決まりはなく、自分のタイミングでやめられます。ただし、AGAは進行性のため、服用を完全にやめると数ヶ月程度で再び薄毛が進行するとされています。中止のタイミングは慎重に考えて決めましょう。医師に相談しながら決めるのも一つの方法です。
AGA治療をせず、市販品やセルフケアだけで薄毛を治せますか?
育毛剤やシャンプー、生活習慣の見直しは頭皮環境を整えるのに役立ちますが、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える作用はありません。AGAの進行を抑えたい場合は、治療薬による医学的なアプローチが必要です。
若いうちはAGA治療をしないほうがいいですか?
年齢だけで判断する必要はありません。AGAは進行性で、若いうちから発症した人の方が進行スピードが速い傾向があるという意見もあります。気になり始めた段階で医師に相談することで、進行を早めに抑えられる可能性があります。
AGA治療は、一律に「しないほうがいい」わけではありません。「しないほうがいい」と言われる背景には、副作用や治療継続の必要性、費用、効果実感までの時間などの懸念があります。一方で、AGAは進行性のため、放置すると薄毛が進む注意点もあります。AGA治療について正しく理解することが大切です。
AGA治療をしなくてもいい人の特徴は、薄毛の原因がAGAでない人や副作用のリスクが高い人などです。
AGA治療をするかどうか判断に迷ったら、治療のゴールや費用を整理し、医師に相談することから始めてみても良いでしょう。オンライン診療であれば、自宅にいながら手軽に医師へ相談が可能です。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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