更新日:2026年07月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「最近分け目が目立つようになったけれど、女性も薄毛治療を受けられるの?」と悩んでいませんか?FAGA(女性型脱毛症)はAGA(男性型脱毛症)とは原因や進行パターンが異なり、一般的にミノキシジル1%外用薬が治療薬として選択されます。 本記事では、FAGA治療で使われる治療薬の種類や費用相場、後悔しやすい理由、治療を始める前の注意点も解説します。
女性の薄毛は、FAGAと呼ばれることがありますが、医学的には女性型脱毛症(FPHL:female pattern hair loss)という表現が使われることが一般的になっています。AGA(男性型脱毛症)とは髪が抜ける場所や薄毛の進み方の特徴に違いがあります。
FAGAは、頭頂部や分け目を中心に全体的に薄くなるのが特徴です。AGAは生え際の後退(M字)や頭頂部の脱毛(O字)から進行します。 一方、FAGAは以下の図のように、前頭部から頭頂部にかけて中央の分け目に沿って薄くなったり、頭頂部の地肌が透けて見えたりするのが特徴です。

また、以下の症状が気になる場合は、FAGAが進行している可能性があります。
このような症状が気になる場合は、皮膚科などの医療機関で相談してみましょう。
FAGAはホルモンバランスの変化が原因の一つと考えられています。女性は加齢に伴い女性ホルモンの「エストロゲン」が減少し、相対的に男性ホルモンの影響を受けやすくなることが薄毛の一因とされています。
また、薄毛の直接的な原因ではありませんが、過度なダイエットによる栄養不足などの生活習慣の乱れは、頭皮環境に影響する可能性が考えられるでしょう。
FAGA治療には、男性とは異なる薬が用いられます。男性向けの代表的な薬の一部は女性には使えないため、女性に適した選択肢を知っておくことが大切です。
FAGAで中心となる治療薬が、ミノキシジルの外用薬です。日本皮膚科学会のガイドラインでは、女性型脱毛症に対してミノキシジル1%の使用が推奨されています。ミノキシジルは血管拡張作用により毛包周囲の血流を改善することや、毛包に働きかけることで発毛を促すと考えられています。

副作用としてかゆみ・赤み・ふけなどの皮膚症状が報告されているため、肌が敏感な方は使用の際に注意が必要です。
参考:大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
スピロノラクトンは、FAGAに補助的に用いられることがある薬です。もともとは体内の余分な水分を排出する利尿薬ですが、男性ホルモンの働きを抑える作用があるとされています。その作用を利用して抜け毛予防のために処方される場合があります。
ただし、国内ではFAGAの治療薬として承認されているわけではなく、日本皮膚科学会のガイドラインにおいて推奨されている治療薬でもありません。万が一、重篤な健康被害が生じた場合、公的な救済制度の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。医薬品副作用被害救済制度とは、薬を適正に使用したにもかかわらず副作用や健康被害が生じた場合に、医療費などの給付を行う公的制度のことです。
FAGAの治療を検討したい場合は、専門の医師に相談し自分に合う治療法を提案してもらいましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「Q3 救済の対象となる健康被害とはどのようなものですか。」
パントガールは、女性のびまん性脱毛症などを対象とした内服薬で、ケラチンやビタミン類、アミノ酸などを配合しています。髪の材料となる栄養を補う目的で用いられますが、ミノキシジルのような発毛薬とは位置づけが異なり、サプリメントに近い性質を持ちます。栄養補給は頭皮環境を整える土台作りには役立つものの、それだけで薄毛を直接改善できるわけではない点は理解しておきましょう。
AGA治療で使われるフィナステリドやデュタステリドは、女性は使用できません。これらの薬の成分は、妊娠中や妊娠の可能性がある女性が触れたり服用したりすると、男子胎児の生殖器の正常な発育に影響を及ぼす恐れがあるためです。
錠剤は皮膚からも吸収される可能性があるため、女性や子どもは割れた錠剤などに触れないよう注意が必要とされています。AGA治療薬をそのまま女性が使うことはできないと覚えておきましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」
FAGA治療には主に初診料と薬代がかかります。目安の費用は以下のとおりです。
| 項目 | 目安の費用 |
|---|---|
| 初診料 | 3千円〜5千円程度/回 |
| 薬代(ミノキシジル外用薬の場合) | 5千円〜1万円/本 |
場合によって、上記以外に検査費用がかかるケースもあります。
FAGA治療は健康保険が使えない自由診療のため、保険が適用されず費用は全額自己負担になります。自由診療は医療機関が独自に価格を設定するため、費用に差があることを理解しておきましょう。
FAGA治療で「後悔した」という声の多くは、事前に知っておけば避けられたものです。ここでは、後悔につながりやすい4つの理由とその対策を紹介します。
後悔する理由の一つとして挙げられるのが、効果を感じる前に治療をやめてしまうケースです。ミノキシジルは使用を始めてから効果を実感するまでに6か月程度かかる場合があるとされ、すぐに変化が出るものではありません。乱れたヘアサイクルが整うには時間が必要なため、短期間で「効かない」と判断して中断すると、それまでの治療が無駄になってしまうことが考えられます。
治療を始める前に、効果の判断には一定の期間が必要だと理解しておきましょう。
参考:大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
費用が続かず後悔するケースも考えられます。前述のとおり、FAGA治療は自由診療で、効果を維持するには継続が前提です。最初に高額なプランを契約したものの、月々の支払いが負担になって途中でやめてしまうと、十分な効果を得られないまま費用だけがかかることになってしまうでしょう。
複数のクリニックで費用を比較し、無理なく続けられる金額かどうかを見極めておくことが大切です。
副作用が出て治療を続けられなくなることも考えられます。ミノキシジル外用薬では、かゆみ・赤み・ふけといった頭皮のトラブルのおそれがあります。
副作用の現れ方には個人差があり、必ず起こるわけではありません。しかし、不安な症状が出たときに自己判断で対応してしまうと、症状の悪化を招く可能性もあるでしょう。気になる症状が出た場合は、すぐに医師へ相談してください。
参考:大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
医療機関を受診せず、個人輸入の薬や海外製品に頼って後悔するケースもあります。個人輸入の医薬品は、品質管理の状況が確認できない場合や、医薬品副作用被害救済制度の対象外となるリスクがあるためです。適切な治療を進めるためにも、医師の診察を受けたうえで処方される薬を使うようにしましょう。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
治療を始める前に以下の2点を確認しておきましょう。
治療を検討する際、妊娠中・授乳中の方は必ず診察時にその旨を伝えるようにしましょう。妊娠中や授乳中の女性を対象とした臨床試験が行われておらず、安全性が確立されていないことや、成分が母乳中に移行する可能性があるためです。
たとえば、ミノキシジルも妊娠中・授乳中は使用できないとされており、スピロノラクトンも妊娠の可能性がある場合は慎重な判断が必要です。自分の状況を正しく共有することで、適切な治療方針を提案してもらえるでしょう。
参考:大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「スピロノラクトン錠 添付文書」
女性の薄毛は、FAGA以外の原因で起きていることもあります。
甲状腺などの病気や出産後のホルモン変化、円形脱毛症など、原因によって対処法は異なります。FAGAだと思い込んで自己流のケアを続けても、別の原因が隠れていれば改善しません。薄毛が気になるときは、自己判断せずに医療機関で原因を確認してもらいましょう。
FAGA治療について、よくある疑問について回答します。
市販の女性用育毛剤だけでは薄毛は治せませんか?
育毛剤は頭皮環境を整えたり現状を維持したりする目的のもので、発毛そのものを目的とした医薬品とは位置づけが異なります。進行する薄毛が気になる場合は、医療機関で相談することを検討してみてください。
女性も男性用のミノキシジルを使えますか?
女性は男性用のミノキシジルは使えません。男性用と女性用では、推奨される成分の濃度や安全性が異なるためです。男性用のミノキシジルは、基本的に「5%濃度」が使用され、女性用は「1%濃度」が使用されます。
日本皮膚科学会のガイドラインによると、女性を対象に2%と5%のミノキシジルを比較した研究では、毛髪の増加数において両者の間に有意差はないと報告されています。
さらに、濃度が高くなるほど副作用の発生リスクは高まる傾向にあると報告されているため、男性用を使用しないでください。
女性の薄毛はFAGAとも呼ばれますが、医学的には女性型脱毛症(FPHL)と表現されるのが一般的で、頭頂部や分け目を中心に全体的に薄くなるのが特徴です。FAGA治療にはミノキシジル1%外用薬が推奨されており、男性のAGA治療で使用されるフィナステリドやデュタステリドは使用できません。FAGA治療は自由診療になるため全額自己負担です。費用は初診料(3千円~5千円程度)、薬代(5千円~1万円程度)の合計金額が目安となります。
治療の際に後悔しないためにも、効果実感まで6か月程度かかることを理解しておきましょう。複数のクリニックで費用を比較し、無理なく続けられる金額かどうか確認することが大切です。また、妊娠・授乳中は使用できない薬があります。薄毛の治療を検討する場合は、自己判断せず医療機関に相談するようにしましょう。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」
大正製薬「大正製薬ダイレクト」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A」
厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「抗アルドステロン性利尿・降圧剤」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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