更新日:2026年03月06日
「最近抜け毛が多いけど、季節のせいかな?」と不安に感じている人もいるかもしれません。春や秋などの季節の変わり目は、通常の2〜3倍の髪が抜ける場合があります。しかし、1~2ヶ月程度で治まるのが一般的です。
本記事では、季節別に抜け毛が増える原因や、季節性の抜け毛とAGAの見分け方を解説します。季節性の抜け毛に効果的なセルフケア方法や悪化させるNG行動も紹介するので、参考にしてみてください。
抜け毛は、一般的に秋に増えやすいといわれています。通常時の抜け毛は一日あたり60~80本程度ですが、夏~秋のピーク時には100本程度抜けることがあるのです。
いつもの倍以上の髪が抜けると驚いてしまうかもしれませんが、健康な髪のサイクルであれば、一時的に本数が増えても過度に心配する必要はありません。排水口や枕元の髪が目立っても、季節による抜け毛であれば自然な生理現象といえます。
季節性の抜け毛は、体が新しい季節の環境に慣れるとともに、1~2ヶ月ほどで自然に落ち着いていくのが一般的です。万が一、数ヶ月経過しても抜け毛の量が減らなかったり、頭皮に炎症が見られたりする場合は、季節以外の要因が隠れている可能性もあります。
抜け毛が増える原因は、自律神経の乱れや紫外線ダメージなど、季節によってさまざまです。ここでは、季節別に抜け毛の原因を見ていきましょう。
春は新生活が始まる時期であり、環境の変化によるストレスが抜け毛を増加させる要因となり得ます。職場での部署異動や転勤などが心理的なプレッシャーとなる場合もあり、自律神経の乱れにつながるのです。自律神経は血管の収縮をコントロールしているため、バランスが崩れると全身の血流が悪くなり、髪の成長に不可欠な栄養素が頭皮まで十分に行き渡らなくなってしまいます。
また、春の抜け毛の要因として、花粉によるアレルギー反応も挙げられます。花粉症は鼻水や目のかゆみといった症状が一般的ですが、頭皮にも影響を及ぼす場合があるのです。花粉が頭皮に付着してアレルギー反応が起こると、炎症を起こして赤みやかゆみが生じ、髪の成長を妨げて抜け毛を招く一因となり得るでしょう。
夏の間に降り注ぐ強い紫外線は、顔や体と同じように頭皮にも日焼けをもたらし、抜け毛の要因となります。強い光を受けることで頭皮の表面だけでなく、深部にある髪の土台にもダメージが蓄積していくのです。頭皮の内部では紫外線によって活性酸素が発生し、髪の毛を生成する組織である毛母細胞の働きを低下させます。
毛母細胞がダメージを受けると、髪の成長サイクルが乱れてしまい、本来であれば成長し続けるはずの髪が十分に育たないまま抜け落ちてしまうのです。
秋は、夏の間に蓄積された疲労やダメージが抜け毛として表面化しやすい季節です。夏に浴びた紫外線は、ヘアサイクルを乱す要因となります。本来であれば成長を続けるはずの髪が、夏の過酷な環境に耐えきれず、その影響が数ヶ月後の秋に抜け毛となって現れるのです。
また、秋は気温の低下とともに日照時間が短くなることで、体内のホルモンバランスが変化しやすい時期でもあります。ホルモンバランスの変化は髪の成長を支える頭皮環境に影響を及ぼす場合があるでしょう。
冬場は空気の乾燥と気温の低下により、頭皮環境の悪化や血行不良が起こりやすい季節です。冬の乾いた空気は頭皮の水分を奪い、地肌を保護するバリア機能を弱めてしまいます。冬は頭皮が乾燥してフケやかゆみが生じやすくなり、髪の成長に適した頭皮環境が損なわれるのです。寒さによって体全体の血管が収縮すると、頭皮の血流も滞りがちになり、髪の成長に必要な酸素や栄養素が毛根まで十分に行き渡らなくなってしまいます。
屋外だけでなく、暖房が効いた室内の環境も頭皮に影響を及ぼします。暖房器具は室内の湿度を低下させるため、長時間過ごすことで頭皮の乾燥が進行する要因となるでしょう。
冬に抜け毛が増える原因を詳しく知りたい方は、「冬は抜け毛が多い季節?原因と対策について詳しく解説」をご確認ください。

季節の変わり目の抜け毛は原因を知り正しく対策しましょう。季節性の抜け毛に共通しているのは、環境の変化が頭皮に負担をかけている点です。一時的な抜け毛の増加であれば、過度な心配は不要です。
季節性の抜け毛とAGA(男性型脱毛症)は、発生のメカニズムや進行の仕方が異なります。自身の抜け毛が一時的な生理現象なのか、治療が必要な進行性の症状なのかを正しく判断することが大切です。
以下に季節性の抜け毛とAGAの主な違いをまとめました。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| 項目 | 季節性の抜け毛 | AGA(男性型脱毛症) |
|---|---|---|
| 抜け毛が起きる場所 | 頭部全体から均一に抜ける | 生え際や頭頂部など局所的に目立つ |
| 抜け毛が増えるタイミング | 春や秋などの季節の変わり目 | 四季に関係なく進行する |
| 抜け毛が落ち着くまでの期間 | 1〜2ヶ月程度で自然に落ち着く | 放置すると徐々に進行していく |
| 抜けた毛の状態 | 十分に育った太く長い毛が多い | 産毛のように細く、短い毛が混じる |
| 遺伝の影響 | 遺伝との関わりはほとんどない | 遺伝的な要因が強い |
| 地肌の様子 | 以前と変わらず健康的な状態 | 皮膚が薄くなり、毛穴が目立つ |
季節性の抜け毛は一時的な変化であり、過度に不安を感じる必要はありません。一方、AGAはヘアサイクル自体が短縮されてしまう病気のため、時間の経過とともに髪が細くなり、本数も減り続けてしまいます。抜け毛が止まる気配がなかったり、生え際が後退してきたと感じたりする場合は、早めに医療機関の診断を受けるのがおすすめです。

季節性とAGAは抜け毛の質・場所・期間などで見分けましょう。季節性の抜け毛は春や秋などの短期間に頭部全体で起こる一時的な現象です。一方、AGAは長期間にわたり進行し、生え際や頭頂部など特定の部位が薄くなるのが特徴です。
季節による抜け毛は適切なセルフケアで改善できます。ここでは、日常生活に取り入れやすい効果的な5つの方法をまとめました。
季節性の抜け毛を抑え、健やかな髪を育むためには、日々の正しい洗髪で頭皮環境を整えることが大切です。使用するシャンプーは頭皮への刺激が少ないアミノ酸系の洗浄成分が含まれたものがおすすめです。洗髪時は指の腹を使って地肌を優しく揉みほぐすと、デリケートな頭皮を傷つけずに汚れを落とせます。
シャンプーの成分や汚れが頭皮に残ってしまうすすぎ残しも、炎症や抜け毛を引き起こす要因となります。耳のうしろや生え際などは特に意識して、ぬめりがなくなるまで丁寧に洗い流すのがポイントです。洗髪後は濡れたまま放置せず、ドライヤーを使って速やかに乾かしましょう。
頭皮マッサージは血行を促進し、髪の毛の成長に必要な栄養素を毛根へ届けるために効果的な方法です。頭皮の下にある毛細血管の血流がスムーズになることで、酸素や栄養が十分に行きわたり、健やかな髪が育ちやすい環境が整います。
頭皮マッサージは、指の腹を使ってこめかみ付近から頭頂部に向かって、小さな円を描くように優しく揉みほぐすのがポイントです。力を入れ過ぎて頭皮を傷つけないよう、「心地良い」と感じる程度の強さを心掛けましょう。一度に長時間マッサージするよりも、毎日の習慣に組み込むことが大切です。たとえば、シャンプー中や入浴後など、無理なく続けられる時間を決めておくと習慣化しやすくなります。
頭皮マッサージについて詳しく知りたい方は、「頭皮マッサージを続けた結果、得られる効果とデメリットとは?」をご一読ください。
健康的な髪を手に入れるために積極的に摂取したい栄養素は、髪の主成分であるタンパク質です。また、タンパク質の合成をサポートする亜鉛や頭皮の血行を整えるビタミン類をバランス良く取り入れることで、季節の変化に負けない強い髪の維持が期待できます。
タンパク質は鶏肉や魚、卵、大豆製品などから摂取することが可能です。亜鉛は牡蠣や赤身の肉類、ナッツ類などに豊富に含まれています。頭皮の健康を保つビタミンAやCは緑黄色野菜に、血行を促進するビタミンEはアーモンドやアボカドなどに多く含まれているのが特徴です。
「毎日栄養バランスが整った料理を考えるのは難しい」という場合は、肉や魚のメイン料理にサラダや小鉢を添えると、髪に必要な栄養素を補いやすいでしょう。
髪の成長に必要な成長ホルモンは、深い睡眠中に分泌されます。成長ホルモンは毛母細胞の分裂を促進し、頭皮のダメージを修復する役割を担っているのです。睡眠不足や質の低下は、成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の毛が十分に育たないまま抜け落ちる原因となります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で推奨されている質の高い睡眠をとるための対策は、以下のとおりです。
睡眠環境の調整は、ホルモンバランスを安定させ、頭皮環境を整えるサポートとなります。季節の変わり目は自律神経が乱れやすい傾向があるため、意識的に体を休める時間を作ることが、髪の健康を守ることにつながるでしょう。心地よい眠りにつけるよう、寝室の温度や湿度にも気を配りながら、リラックスした状態で夜を過ごす工夫をするのがポイントです。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
春から夏にかけて強くなる紫外線を防ぐためには、外出時の紫外線対策を徹底することが大切です。手軽で効果的な紫外線対策として、帽子や日傘の活用が挙げられます。帽子は頭部全体を広範囲にカバーできるので、日光が直接当たりやすい分け目やつむじの保護に役立ちます。
帽子を選ぶ際は、長時間着用しても熱がこもらないように通気性の良い素材を選ぶのがおすすめです。頭皮用の日焼け止めスプレーを併用すると、紫外線から頭皮をより守れます。
日々の紫外線対策は、季節性の抜け毛を未然に防ぐことにつながります。曇りの日も紫外線はあるため、日差しが強く感じられない日であっても、外出時には意識的に対策を取り入れましょう。
頭皮の日焼けについて詳しく知りたい方は、「頭皮が日焼けしたらどうなる?予防策やアフターケアを紹介」をチェックしてみてください。

生活習慣や正しい頭皮ケアが抜け毛予防につながります。洗髪方法の見直しや頭皮マッサージ、バランスの取れた栄養摂取は、頭皮環境を健やかに保つために有効です。すべてを完璧にこなそうとする必要はないため、自身が取り入れやすいことから一つずつ始めてみましょう。
日々の何気ない習慣が抜け毛を悪化させている場合があります。ここでは、抜け毛を促進してしまう行動を見ていきましょう。
抜け毛が気になるからといって、抜けた髪の毛を毎日数えてしまうと、かえって不安やストレスを増幅させる原因となります。健康な人であっても一日100本程度の髪は自然に抜けるので、抜け毛に一喜一憂すると、精神的な負担になりかねません。抜け毛の数を過剰に気にすることで生じる心理的なプレッシャーは、自律神経を乱し、頭皮の血行不良を招くリスクを伴います。
ストレスによって血行不良が起こると、髪の成長に必要な栄養が毛根に届かなくなり、抜け毛をさらに悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。季節の変わり目に抜け毛の本数が増えるのは自然な生理現象なので、あまり神経質になり過ぎないことが大切です。「どうしても不安が拭えない」という場合は、一人で抱え込まずに医療機関へ相談しましょう。
睡眠不足や過度なストレスを溜め込むことは、髪の健康にとってリスクとなります。髪や肌は、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって組織を修復しているため、眠りが浅かったり不足したりすると、修復機能が十分に働きません。また、強いストレスを感じ続けると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、全身の血管が収縮して血行不良を引き起こしてしまいます。
季節の変わり目は、気圧や気温の変化で自律神経が揺らぎやすいので、睡眠不足やストレスが重なるとダメージがさらに加速するでしょう。髪に必要な栄養を届けるためには、心身をリラックスさせ、血流を妨げない環境を作ることが必要です。
健やかな髪を守るためには趣味の時間を持ってリフレッシュしたり、湯船に浸かって体を温めたりして副交感神経を優位にし、血行を改善することが大切です。
頭皮の汗や汚れを長時間放置すると、健康な髪の成長が妨げられ、抜け毛を増加させる可能性があります。日々の活動で分泌される皮脂や外部のホコリが頭皮に残っていると、雑菌が繁殖してしまうのです。繁殖した雑菌は古い角質と混ざり合って毛穴を詰まらせ、髪の成長サイクルを乱してしまいます。
毛穴が詰まって頭皮環境が悪化すると、新しく生えてくる髪が細くなったり、十分に育つ前に抜け落ちてしまったりするのです。季節の変わり目は、汗の量や皮脂分泌のバランスが崩れやすいので、頭皮をより清潔に保つことが大切です。正しい洗髪方法を心掛け、清潔な頭皮を維持することで、健やかな髪を育めるでしょう。
セルフケアを続けても状況が良くならない場合は、別の疾患が原因の抜け毛かもしれません。医師の診察を受けることで一時的な抜け毛なのか、治療が必要な脱毛症なのか、正確な原因を特定できます。
AGAが原因の抜け毛の場合、放置するとアサイクルが短くなり、徐々に薄毛が進行してしまいます。AGAは早期発見・早期治療が大切であり、早い段階で適切なケアを始めるほど、髪のボリュームを維持できる可能性が高まるでしょう。
季節の変わり目である春と秋は抜け毛が増加する傾向にあり、それぞれ季節特有の環境要因が影響しています。季節性の抜け毛は一時的なものであり、1〜2ヶ月程度で落ち着くのが一般的です。
季節性の抜け毛は、正しい洗髪方法を実践したり、バランスの良い食事を心掛けたりすることで対策できます。セルフケアで抜け毛が改善しない場合は、AGAの可能性もあるので、医師に相談するのがおすすめです。