更新日:2026年02月04日
AGA治療をするにあたって「フィンペシアとプロペシアのどちらを選べばいいか分からない」「それぞれの違いを知りたい」と考える方もいるかもしれません。フィンペシアとプロペシアのどちらも有効成分であるフィナステリドを含んでいますが、価格や安全性などに違いがあります。
本記事では、フィンペシアとプロペシアの違いを詳しく解説します。共通する注意点や個人輸入のリスクも紹介するので、参考にしてみてください。
フィンペシアとプロペシアは、どちらもAGA(男性型脱毛症)の治療薬として知られています。フィンペシアとプロペシアには共通点がありますが、いくつかの違いもあります。AGAに悩む方が自分に合った治療薬を選択するために、まずはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
プロペシアは、アメリカの製薬会社メルクが開発した先発医薬品です。先発医薬品とは、最初に発売された医薬品のことで、臨床試験を経て有効性と安全性が証明されています。
プロペシアはAGA治療薬の経口薬として、世界で初めて承認されました。有効成分としてフィナステリドを含み、1997年にアメリカで、2005年に日本で承認されて以降、長年にわたってAGA治療で用いられています。その歴史の長さやこれまでの実績から、信頼性のあるAGA治療薬といえるでしょう。
また、プロペシアはクリニックでAGA治療を始める際、医師から最初に提案されることの多い薬の一つです。
プロペシアについて詳しく知りたい方は、「プロペシアの効果とは?効き目が出るまでの期間や副作用を解説」も参考にしてみてください。
フィンペシアは、プロペシアと同じ有効成分であるフィナステリドを含むコピー医薬品です。フィンペシアはインドの製薬会社シプラ社が製造しており、プロペシアと同じ有効成分を含みながらも研究開発費が抑えられているぶん、価格が安いのが特徴です。
ただし、フィンペシアは日本国内で承認されていない海外製医薬品にあたるため、個人輸入や通販で入手するのが一般的となっています。個人輸入や通販には偽薬を入手するリスクがあるので、医師の処方のもと国内で承認されたAGA治療薬を使用する方法が安全です。
フィンペシアについては「フィンペシアとは?効果や副作用、通販で購入する際の注意点」も参考としてご覧ください。
フィンペシアとプロペシアに共通して含まれる有効成分が「フィナステリド」です。フィナステリドは、AGAの原因である男性ホルモンの一種、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する作用があります。
そもそもAGAは、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素によって、DHTに変換されることが原因です。フィナステリドは5αリダクターゼII型の働きを阻害し、ヘアサイクルの乱れを正常化させるため、抜け毛の進行を抑えることができます。
フィナステリドの働きにより、髪の毛が太く長く成長する期間を延ばし、薄毛の改善につなげるのです。
フィナステリドの効果は「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」でも解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
ここでは、フィンペシアとプロペシアの違いを5つ紹介します。価格や安全性、効果などの情報を比較しながら解説するので、AGA治療を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
AGA治療の継続において、治療費は検討材料になるでしょう。プロペシアは先発医薬品であるため、開発にかかった費用などが反映されます。そのため、フィンペシアと比較して費用は高い傾向にあるのが特徴です。一方、フィンペシアはプロペシアのコピー医薬品で開発コストを抑えているぶん、安価で提供されています。
| 商品名 | 1ヶ月あたりの価格の目安 | 年間コストの目安 |
|---|---|---|
| プロペシア | 約7,000~1万1,000円 | 約8万4,000~13万2,000円 |
| フィンペシア | 約1,300~3,600円 | 約1万5,600~4万3,200円 |
毎月の費用負担を軽減したい方や、治療費を理由に切り替えを検討している方にとって、この価格差は検討するポイントとなるでしょう。ただし、フィンペシアは未承認のAGA治療薬のため、慎重な検討をおすすめします。
なお、AGA治療薬の価格設定はクリニックによって異なります。自分の予算にあわせて、プロペシアやその他医薬品を検討することが大切です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
安全性においては、プロペシアが優位性を持っています。先発医薬品のプロペシアは、厚生労働省に承認された医薬品です。日本国内で長期にわたる使用実績があり、医師の処方のもとで服用するため、医学的な管理下に置かれる安心感があるといえるでしょう。
一方、フィンペシアは国内未承認の海外製医薬品です。フィンペシアは未承認薬のため個人輸入や通販で入手しなければならず、品質の保証が難しいリスクが伴います。そのため、個人輸入の過程で適切に保管されていない、偽薬を入手するといった可能性も否定できません。偽薬と知らずに服用した場合、思わぬ副作用が発生する恐れがあるでしょう。
安全性を確保しながらAGA治療を行うなら、医療機関で医師に処方してもらう方法がおすすめです。
フィンペシアとプロペシアは、どちらもAGAの原因物質であるDHTの生成を抑えるフィナステリドを有効成分として含んでいます。そのため、作用の仕組みや期待できるAGAの進行抑制効果は同等であるとされています。(ただし、フィンペシアは国内未承認なため、効果効能の保証はない)
ただし、薬の製造過程や添加物が異なることから、体質によっては飲みやすさや効果に違いが生じる可能性も否定できません。安全かつ効果的にAGA治療をするなら、医師に相談して自分の症状や予算、ライフスタイルに合った治療薬を処方してもらいましょう。
フィンペシアとプロペシアを入手する方法は、それぞれ異なります。プロペシアは日本で承認された医薬品で、医療機関で医師の診察を受けて処方を受ける「医療用医薬品」です。
一方、フィンペシアは国内では未承認薬で取り扱うクリニックはほとんどないため、個人輸入や通販サイトを通じて海外から取り寄せる形で入手する必要があります。ただし、偽薬や品質に問題がある製品を受け取るリスクが高く、服用により健康被害を被る恐れがあるため、個人で輸入する方法は推奨されていません。
安全にAGA治療を始めたいものの、忙しくて通院する時間を作れない方や近くにクリニックがない方は、オンライン診療サービスを利用して医師に処方してもらう方法があるので検討してみるのも手です。
フィンペシアとプロペシアは、有効成分がフィナステリドで共通しているため、副作用はほとんど変わらないとされています。KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」を参考に、フィナステリドによる副作用の例を以下にまとめました。
副作用の発生頻度は、体質や健康状態などによって個人差があります。プロペシアはフィンペシアと違い、医師の処方のもと服用することから、副作用のリスクについて説明を受けられるので安心です。
安全にAGA治療をするためにも、医師に相談のうえ処方してもらう方法が賢明といえるでしょう。
参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」
フィンペシアとプロペシアの服用時には、以下の共通した注意点があります。
それぞれの注意点について解説するので、AGA治療のために服用を検討している方は参考としてご覧ください。
フィンペシアとプロペシアの服用は、1日1回1錠です。服用のタイミングに決まりはありませんが、毎日同じ時間に服用して継続することが重要とされています。
自己判断で増やしたり減らしたりせず、用法・用量を守り服用しましょう。「薄毛の症状を早く改善したい」「より効果を感じたい」といった理由から服用量を増やすと、副作用のリスクを高める可能性があります。飲み忘れに気づいた場合は、2日分をまとめて服用することは避け、次の通常の服用時間まで待つようにしましょう。
フィンペシアやプロペシアを服用すると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」の現象が起こる場合があります。初期脱毛はフィナステリドの作用により、休止期にあった古い髪の毛が、新しく健康な髪の毛に生え変わる準備として抜ける現象です。つまり、薬が作用し始めてAGA治療が順調に進んでいるサインと考えられます。
個人差はあるものの、初期脱毛は服用を始めて1~3ヶ月程度で起こり、そのあとは徐々に収まっていくのが一般的です。初期脱毛が起こっているときに「効いていないのでは」と自己判断で服用を中止してしまうと、治療効果を得られなくなってしまいます。
初期脱毛について不安を感じたり、長期間にわたり抜け毛が続いたりする場合は、医師に相談しましょう。
フィンペシアとプロペシアの有効成分であるフィナステリドは、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられるPSA(前立腺特異抗原)の値を低下させる作用があります。そのため、服用中に前立腺がんの検査を受けると、PSAの値が低く出てしまい、がんの発見が遅れたり見逃したりする可能性があるのです。
フィンペシアやプロペシアの服用中に前立腺がんの検査を受ける際は、その旨を医師に忘れず伝えましょう。医師は申告を受けることで、測定されたPSA値を2倍にするなど、正確な診断のために適切な対応ができます。
フィンペシアとプロペシアは、成人男性が服用するAGA治療薬です。厚生労働省の「プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について」では、女性と子どもは服用してはいけないとされています。特に、妊娠中や妊娠の可能性がある女性が割れたり砕けたりした錠剤に触れると、フィナステリドの成分が皮膚から吸収されて、男性胎児の生殖器に影響を及ぼす危険性があります。
女性や子どもと同居している方は、フィンペシアやプロペシアの取り扱いに細心の注意を払い、容器に蓋をして厳重に保管しましょう。
参考:厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
フィンペシアの個人輸入は、「偽薬や不純物が入った薬を入手するリスクがある」「健康被害が生じた場合に保証されない」「服用しても期待した効果を得られない」といった点に注意する必要があります。以下で解説するので、どのような危険性があるのか確認しましょう。
フィンペシアは、国内で未承認の海外製医薬品です。フィンペシアを入手するためには、個人輸入や通販で購入しなければならず、偽薬や不純物混入のリスクが伴います。
インターネット上には多くの個人輸入代行サイトが存在しますが、その中には悪質な業者も少なくありません。外見はフィンペシアの本物にそっくりでも、実際には有効成分のフィナステリドが含まれていない偽薬や、製造基準を満たしていない粗悪品が流通しているケースもあるのです。
また、正規品であっても、輸送中や保管中の温度管理が不適切だった場合、薬の品質が劣化している可能性もあります。安全性を重視するなら、医師の処方によるプロペシアや国内で承認されている医薬品の使用が望ましいでしょう。
フィンペシアの服用によって健康被害が生じても、治療費は自己負担になります。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「Q3 救済の対象となる健康被害とはどのようなものですか。」では、公的補償を受けられる「医薬品副作用被害救済制度」の対象となるのは、厚生労働省の許可を受けた医薬品としています。フィンペシアは国内未承認薬のため、万が一健康被害が発生しても医薬品副作用被害救済制度の対象にはならないのです。
健康被害が生じた際に公的な補償を受けられないのは、フィンペシアを服用するデメリットといえます。経済的なメリットを優先するあまり、大切な健康と時間を失うことのないよう、AGA治療薬は医療機関で処方してもらいましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A」
個人輸入で入手するフィンペシアは、製品の品質が保証されないため、期待される発毛効果を得られない可能性があります。
そもそもAGA治療薬は、一定の期間をかけて継続服用することで効果が現れます。しかし、個人輸入したフィンペシアの有効成分の量が不足していたり、全く入っていなかったりすれば、長期間服用を続けてもAGAの進行を抑える効果や発毛効果を期待することはできません。
また、自己判断でフィンペシアの服用を始めると、自分の薄毛の原因がAGAではない可能性を見逃す、適切な服用方法が分からないといったリスクもあります。安全かつ確実にAGA治療薬の効果を得るために、医師の診断のもと、正規の医薬品を処方してもらいましょう。
フィンペシアとプロペシアは、AGA治療に効果のある有効成分フィナステリドを含んでいます。プロペシアは国内で承認された先発医薬品であり、医師の処方で入手できる安全性の高い治療薬です。
一方、フィンペシアは未承認の海外製医薬品で、価格はプロペシアと比べて安価ですが、個人輸入で入手する必要があります。個人輸入によるフィンペシアの購入は、偽薬や不純物が混入した薬を入手するリスクがあり、服用によって万が一健康被害が生じても公的補償の対象外です。
安全性を考慮すると、プロペシアや国内承認の医薬品を医師から処方してもらうことが賢明な選択といえるでしょう。