レバクリ

更新日:2023年12月21日

AGA治療薬の個人輸入は危険?AGA治療薬の安心できる入手方法を解説

この記事のまとめ
  • AGA治療薬を個人輸入すると、健康被害や偽物の可能性などさまざまなリスクがある
  • AGA治療薬の個人輸入による健康被害の報告がある
  • オンライン診療を活用すれば費用負担を抑えて、安全なAGA治療薬が手に入る

「AGAの治療薬は個人輸入で安く手に入れることができる」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、AGA治療薬の入手ルートの1つに個人輸入という方法があります。しかし、個人輸入にはリスクがあり、安易に行うべきではありません。本記事では個人輸入によるリスクについて解説します。 また、個人輸入のリスクは承知しているが、忙しくて治療薬をもらいにクリニックに行けず、やむを得ず個人輸入に頼っている方もいるかもしれません。ここでは、個人輸入に頼らず、忙しい方でも安全にAGA治療薬を入手する方法も解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。

個人輸入できるAGA治療薬の代表例

AGAの治療薬は自宅のパソコンやスマホから簡単に個人輸入ができます。個人輸入可能なAGA治療薬は次の3つです。

  • プロペシア
  • フィナステリド
  • ミノキシジル

それぞれどのような作用、副作用があるのかを詳しく解説していきます。

プロペシア

プロペシアはフィナステリドを主成分とした薬剤で、日本で初めて発売されたAGA治療薬です。AGAの要因となる5αリアクターゼという酵素の働きを抑制することで、テストテロンが、ジヒドロテストテロンに変換されるのを防ぎます。主に頭頂と前中頭部の男性型脱毛の治療に使われるもので、男性のAGAに限り、治療薬として適応します。 プロペシアの副作用は、リビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少です。

※2023年10月現在、レバクリでのプロペシアの取り扱いはありません。

フィナステリド

フィナステリドは、上述したプロペシアの後発薬品として開発・発売されたAGA治療薬です。効果や副作用についてはプロペシアとほぼ変わりません。後発薬品ということもありプロペシアよりも安く手に入ることから、治療にかかる費用をできるだけ抑えたいと考える方はフィナステリドの処方を希望されるケースが多いようです。

フィナステリドについて詳しく知りたい方は、「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」も参考にしてみてください。

ミノキシジル

ミノキシジルは毛母細胞を刺激し、ヘアサイクルを整える効果が期待できる治療薬です。患部に塗布することで、髪の成長期を正常に戻し、太くコシのある髪の毛が生えてくるようになります。AGA治療薬の中でも唯一直接頭皮に塗布できるのが特徴です。 ミノキシジルには外用薬とタブレットの2種類が発売されていますが、日本で認可されているのは外用薬のみです。外用薬は直接頭皮に塗布できる分、瘙痒、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎といった副作用が報告されています。 また、ミノキシジルは同性分の薬品が薬局に売られており、気軽に手に入れられます。

ミノキシジルについては、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」でも詳しく解説しています。

AGAの治療薬を個人輸入するメリットとデメリット

AGAの治療薬を個人輸入で手に入れることはインターネットに不慣れな人でも不可能ではありません。AGA治療薬の個人輸入には、それぞれメリットとデメリットがあります。ここでは、AGA治療薬を個人輸入するメリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。

AGA治療薬を個人輸入するメリット

AGA治療薬を個人輸入するメリットとして、以下の2点が挙げられます。

  • 任意のタイミングで薬を購入できる
  • 比較的安価に購入できる

それぞれについて詳しく説明します。

任意のタイミングで薬を購入できる

AGA治療薬を正規のルートで入手するためには、クリニックにて医師の診察を受け、薬を処方してもらう必要があります。

個人輸入をすれば、クリニックへ行かなくても自宅のパソコンやスマホから薬を購入できますし、購入した薬は自宅に配送されるため、薬局へ行く必要もありません。 そのため、クリニックや薬局へ行く時間や労力を削減できる点がメリットです。

忙しくてクリニックが開院している時間に受診できない方にとっては、時間や場所にとらわれずにいつでも薬の購入ができるという点がメリットです。

比較的安価に購入できる

AGA治療には保険が適用されず、治療費用は全額自己負担となります。 医療機関や治療プランによって異なるものの、費用は月に10,000円程度かかると見込まれます。

正規のルートでAGA治療薬を入手する場合には、診察費や薬代に加え、医院へ行くまでの交通費などがかかります。さらに、初めて医療機関を受診するならばここに初診料も上乗せされます。 一方で、治療薬を個人輸入する場合、診察費や交通費はかかりません。そのため、トータルでかかる費用を抑えられるでしょう。

AGA治療薬を個人輸入するデメリット

結論として、AGA治療薬の個人輸入はデメリットが非常に大きいといえます。ここでは、AGA治療薬を個人輸入することによるデメリットを5つ解説します。

  • 薬が偽物の可能性がある
  • 重篤な副作用が出る恐れがある
  • 健康被害のリスクがある
  • 副作用の治療が困難になる
  • 公的制度の対象外になる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

薬が偽物の可能性がある

個人輸入したAGA治療薬は海外から配送されますが、この薬が必ずしも本物であるとは限りません。実際に個人輸入をした薬品が偽物であったという報告は多数挙がっています。もしも偽物であった場合には、何の効果も得られないままに薬を服用しているということになります。

海外から個人輸入をした場合、パッケージの文章や説明文が外国語で書かれており偽物であると気づきにくいケースも。本物の薬そっくりのパッケージを作り上げていることもあるかもしれません。

重篤な副作用が出る恐れがある

個人輸入をしたAGA治療薬は、製造元がはっきりしていない場合が多いです。そのため、薬の安全性が十分に担保されておらず、重篤な副作用が出る可能性があります。

また、個人輸入で薬を入手する場合には、自分の症状に適した薬かどうかを医師に判断してもらえません。持病で飲んでいる薬やサプリメントとの飲み合わせが悪く、副作用が出やすい、あるいは重篤な副作用が出てしまう可能性もあります。

健康被害のリスクがある

個人輸入でAGA医療薬を入手することで、最も懸念されるのが健康被害のリスクです。 一般社団法人偽造医薬品等情報センターで公開されている健康被害情報によると、“ネット経由で入手した未承認医薬品ミノキシジル2.5mg錠、フィナステリド1mg錠を約2か月服用した50代男性に、服用終了約1.5か月後に全身倦怠感、胸焼け、濃い色の尿が出現。2か月後に医療機関を受診した結果、肝機能障害を指摘された”という報告があります。

また、プロペシアについては、米国FDAでも個人輸入での購入を注意喚起しています。プロペシアは、特に妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性は割れたり欠けたりした製剤に触るだけで、有効成分が皮膚から吸収されることがあります。もしも成分が妊娠中の女性の体内に吸収され、お腹の中にいる赤ちゃんが男の子だった場合、生殖器に異常をきたすおそれが懸念されています。

医療機関で処方された場合にはこの説明を、薬を処方する前に医師が丁寧に行います。しかし個人輸入の場合は説明書きが外国語で記されている場合が多く、誰も説明してくれません。薬について深い知識がないままに購入した結果、知らず知らずのうちに自分だけでなく家族へ影響を及ぼす可能性もあるのです。

参照元: 一般社団法人 偽造医薬品等情報センター「個人輸入やインターネット購入による健康被害」 厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」  

副作用の治療が困難になる

正規のルートで入手したAGA治療薬で副作用や健康被害が生じた場合には、処方医が責任をもって対処してくれます。しかし、個人輸入薬では副作用や健康被害が生じて、医療機関を受診した場合、医者には薬の成分や製造元がわからないため、適切な処置を受けられない可能性があります。不

公的制度の対象外となる

医師が処方した薬を適切に使用したにもかかわらず重篤な副作用が生じ、その副作用によって入院治療が必要となった場合、医薬品副作用被害救済制度という公的制度によって治療費や年金が支給されます。 しかし、国外からの輸入製剤による重篤な副作用は、厚労省が定める医薬品副作用被害救済制度の対象外です。そのため、治療費用のすべてが自己責任となってしまいます。

参照元:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度

個人輸入ではなくオンライン診療がおすすめの理由

AGA治療薬の個人輸入にはデメリットやリスクが大きいです。とはいえ、AGA治療薬をクリニックで処方してもらうのが時間的にも費用的にも難しく、個人輸入に頼りたいと考える方もいるかもしれません。そのような方におすすめしたいのがオンライン診療の活用です。オンライン診療の活用をおすすめする理由は次のとおりです。

  • 医師が処方するため安全性が高い
  • プライバシーが保護されている
  • 薬の到着が早い
  • 金額が安い

それぞれの理由について解説します。

医師が処方するため安全性が高い

オンライン診療は、医師免許を所有し、日本国内で患者さんの診療にあたっている医師が診察をしてAGA治療薬を処方します。そのため、確実に本物の薬が手に入りますし、副作用が出た時にも適切な治療が受けられます。薬の製造販売元もはっきりとしており、安全性が高いといえるでしょう。

プライバシーが保護されている

オンライン診療で処方された薬はプライバシー保護のため、中身が分からないように包装されて発送されます。発送先も指定できるため、同居している家族や会社の同僚などに知られることなく薬を手に入れられます。

薬の到着が早い

海外から薬を輸入する場合、仲介業者を挟むうえ、国際配送になることから、薬が到着するまでに数週間を要するケースがあります。一方、オンライン診療の場合は、受診したいタイミングでスマホから気軽に受診でき、受診後1日前後で薬が配送されるため、個人輸入よりも薬がすぐに手に入ります。

金額が安い

オンライン診療の費用は、通常のクリニックを受診する際と比較して安いケースが多いです。オンライン診療の場合、実店舗がない分家賃などの固定費がかからないためです。 また、患者側が病院を受診するために必要な交通費がかからないという点でも、費用負担が抑えられ るといえるでしょう。

まとめ

AGA治療薬を個人輸入で手に入れるのは、さまざまなリスクがありおすすめできません。特に健康面のリスクは高く、せっかく薬を手に入れて服用したとしても、AGAが改善せず、さらに重篤な副作用に悩まされるかもしれません。

安全に、なおかつ安価でAGA治療薬を手に入れるには個人輸入よりもオンライン診療がおすすめです。忙しくクリニックを受診する時間がないという方も、個人輸入ではなく、まずはオンライン診療を活用したAGA治療を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会