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更新日:2024年04月24日

ザガーロ(デュタステリド)の効果と副作用を解説

この記事のまとめ
  • ザガーロは薄毛の進行を遅らせる効果がある
  • ザガーロの効果が出るまでに3〜6ヶ月ほどかかる
  • ザガーロの副作用は性機能不全や腹部不快感など
  • ザガーロの併用注意薬としてCYP3A4阻害薬が挙げられる

AGA治療について調べると目にするザガーロという治療薬。効果や副作用、プロペシアやミノキシジルとの違いなどについて気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、AGA治療薬の1種であるザガーロの効果や副作用について解説するとともに、ザガーロに関するよくある疑問にも回答します。

ザガーロとは

ザガーロはAGA治療薬の一つであり、ヘアサイクルを正常化させることで本来の生える力を最大化させることを目的に使用されます。有効成分はデュタステリドであり、ジェネリック医薬品では「デュタステリド錠〜〜」や「デュタステリドカプセル〜〜」という名称で販売されています。

主成分であるデュタステリドは、もともと「アボルブ」という名称で前立腺肥大症の治療薬として2009年に国内で承認されていました。その後、AGAの原因であるジヒドロテストロンの産生を阻害する作用があることから、2015年にAGA治療薬「ザガーロ」が承認されました。

アボルブについて詳しく知りたい方は、「アボルブはAGA治療にも使用できる?効果や副作用、注意点について解説」も参考にしてみてください。

ザガーロとプロペシアの違い

ザガーロとプロペシアはどちらも5αリダクターゼ(5α還元酵素)を阻害する薬ですが、5αリダクターゼのうちⅠ型とⅡ型のどちらを阻害するかが異なります。5αリダクターゼは、テストステロンと結合して、AGA発症のきっかけとされているジヒドロテストステロン(DHT)に変換する物質です。

プロペシアは5αリダクターゼのうち前頭部や頭頂部などに多いⅡ型を阻害するのに対し、ザガーロはⅡ型だけでなく、側頭部や後頭部に存在するⅠ型も阻害します。 そのため、ザガーロのほうが頭部全体に効果が出やすいと考えられています。

ザガーロとミノキシジルの違い

ザガーロはAGAの原因となる5αリダクターゼの作用を阻害するのに対して、ミノキシジルは血管拡張や毛母細胞への刺激によって、発毛や育毛を促進し、脱毛を抑制する働きがあります。

ザガーロは2023年12月現在で内服薬のみが存在していますが、ミノキシジルには内服薬と頭皮に塗る外用薬の2種類があり、剤形によって効果の度合いや副作用の種類などが異なります。 また、ミノキシジルはザガーロまたはプロペシアと併用が可能で、2つを組み合わせることでより高い効果が期待できます。

ミノキシジルの効果については、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」でも詳しく解説しています。

ザガーロの効果

ザガーロにはヘアサイクルを改善し、薄毛や抜け毛を抑制したり髪の毛を太くしたりする効果があります。

AGAのきっかけとなるジヒドロテストステロン(DHA)は、テストステロンと5αリダクターゼの結合により産生される男性ホルモンの1種です。ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結合し、ヘアサイクルを乱して髪の成長を阻害することで、薄毛を引き起こします。 ザガーロには、5αリダクターゼの働きを阻害することでジヒドロテストステロンの生成を抑える働きがあります。

ザガーロの効果が出るまでの期間

ザガーロの効果が出るまでには、6ヶ月ほどかかるとされています。 ただし、期間には個人差があり、早い人であれば3ヶ月で変化を感じるケースもあります。

前述した通り、ザガーロには、ジヒドロテストステロン(DHA)の生成を抑制し、ヘアサイクルを整える働きがあります。一般的には、正常なヘアサイクルの期間は成長期が約2~6年、退行期が約2週間、そして休止期が約3~4か月ほどだといわれています。 乱れたヘアサイクルを整え、健康な髪が生えてくるまでにはある程度の期間が必要であるため、効果が現れるまでに比較的時間がかかるのです。

デュタステリドの効果について詳しく知りたい方は、「デュタステリド(ザガーロ)が効かないと感じる原因は?対処法も解説」も参考にしてみてください。

ザガーロの副作用

ザガーロの副作用には性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)や乳房障害、腹部不快感、抑うつ気分、めまい、脱毛症、多毛症、味覚異常などがあるとされています。

また、重大な副作用としては肝機能障害や黄疸が挙げられますが、頻度は不明であり、稀なケースだといえるでしょう。

ザガーロの副作用については、以下の記事でも解説しています。

関連記事:「ザガーロはなぜやばいといわれる?効果や副作用について詳しく解説

ザガーロを服用できない人

ザガーロは未成年の方や女性の方、肝機能に重度の障害がある方は服用できません。特に、胎児の男性機能の成長に影響を及ぼすおそれがあるため、経皮吸収される性質上、妊娠中の女性はザガーロを触らないようにしましょう。

また、後述しますが、併用注意薬があるので、普段飲んでいる薬がある方はAGA治療薬を処方してもらう前に医師に伝えましょう。

ザガーロの服用方法

ザガーロは1日1錠、24時間の間隔を空けて飲む薬です。空腹時や食後などの指定はありませんので、ご自身が飲みやすいタイミングで服用するとよいでしょう。

なお、万が一ザガーロの服用を忘れてしまった日があっても、2日分を飲むことはせず、1日の用量を守って服用しましょう。

ザガーロを服用する際の注意点

ザガーロを服用する際の注意点は、以下の3つです。

  • 併用に注意すべき薬がある
  • ザガーロの服用中は献血できない
  • ザガーロはクリニックで処方してもらう

それぞれについて説明します。

併用に注意すべき薬がある

ザガーロに併用禁忌薬はないとされていますが、併用注意薬としてCYP3A4阻害薬があります。CYP3A4阻害薬に該当するのは、リトナビルやインジナビルといったプロテアーゼ阻害剤や、クラリスロマイシンやエリスロマイシンといったマクロライド系抗生物質、ネファゾドン(抗うつ剤)などです。ザガーロとCYP3A4阻害薬を併用すると、ザガーロの成分が体内に長く留まり、副作用が生じる可能性が高くなるとされています。

ザガーロの服用中は献血できない

ザガーロに含まれる成分が血液を経由して未成年や女性に輸血される可能性があるので、ザガーロの服用中は献血ができません。

ザガーロの成分は代謝・排泄されるまでの期間が長いので、献血をしたい場合はザガーロの服用をやめてから6ヶ月以上空ける必要があります。

ザガーロはクリニックで処方してもらう

適切な治療方法はAGAの進行具合や体質などによって変わるため、「AGAの治療をしたい」「ザガーロを入手したい」と考えた際は医師に相談しましょう。

費用の安さなどから個人輸入でザガーロを入手しようと考える方もいるかもしれませんが、個人輸入した薬を服用することはとても危険です。 偽薬である可能性があるほか、健康被害が生じたとしても医薬品副作用被害救済制度を利用できません。独立行政法人医薬品医療機器総合機構によると、医薬品副作用被害救済制度は医薬品を正しく使用して重篤な副作用が生じた際、医療費や年金などが給付される公的制度です。

費用を抑えるつもりでも、自己判断で入手した薬を服薬するとかえって医療費がかさんでしまったり、健康を損ねたりすることにつながるため、AGA治療薬はクリニックで処方してもらいましょう。

参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度

ザガーロに関するよくある質問

ザガーロに関する質問とその回答を紹介します。

Q.ザガーロは効果がない?

ザガーロには、薄毛・抜け毛を抑制する、髪の毛を太くするといった効果があります。ザガーロを服用しても効果を感じられない場合は、服用を開始してから半年以内でないか、AGA以外の薄毛の原因が考えられないか、治療薬の用法・用量を守れているかといったことを確認しましょう。 また、個人輸入したザガーロを服用している場合、偽薬の可能性があり、有効成分が入っておらず効果が得られないと考えられます。医師に処方された薬を根気よく正しく服用していくことが大切です。

Q.ザガーロだけで発毛する?

ザガーロを服用するだけでは発毛しないケースもあり得ます。 ザガーロの主な役割はAGAによる抜け毛の進行を抑制することです。より高い発毛・育毛効果を得たい場合は、医師に相談のうえミノキシジル外用薬と併用する選択肢もあります。 また、単にAGA治療薬を使用・服用していれば良いというわけではなく、頭皮環境を整えるために食事や睡眠などの生活習慣を見直すことも大切です。頭皮のセルフケアとして、自身の体質に合うシャンプーを使う、頭皮マッサージをするといったことも心掛けてみましょう。

Q.ザガーロは個人輸入できる?

ザガーロは個人輸入できますが、偽薬が送られてきたり健康被害を受けたりするリスクがあります。 費用を抑えるために個人輸入したとしても、服用によって健康被害が生じた際に医薬品副作用被害救済制度を利用できず、本来かからなかったはずの医療費が発生することもあるでしょう。

ザガーロを入手したいときは、クリニックで医師に相談し処方してもらいましょう。

Q.ザガーロの服用をやめるとどうなる?

AGAは進行性なので、ザガーロの服用をやめると、治療開始前の薄毛の状態に戻ってしまいます。ザガーロに限らず、どのAGA治療薬にも言えることです。

効果が出始めたからといって服用をやめてしまう方もいますが、それまで継続したことが無駄になってしまいます。 ザガーロの服用を続けるかどうか、どのような状態をAGA治療のゴールにするかといったことは、医師と相談のうえ決めましょう。

Q.ザガーロの処方は保険適用になる?

ザガーロの処方は、保険適用外(自由診療)となります。ザガーロに限らず、ほかの治療薬でAGA治療を行う場合も保険は適用されません。 AGAは悩みの深い病気ではありますが、主に整容面における治療適用となり、公的保険の適用外となっています。

まとめ

ザガーロには薄毛の進行を遅らせる効果があります。ザガーロの効果が出るまでに3〜6ヶ月ほどかかるため、効果が出ないからといって自己判断で服用をやめないようにしましょう。また、ザガーロの副作用には性機能不全や腹部不快感などが挙げられます。副作用の症状をしっかりと理解したうえでサガーロの服用を行いましょう。

ザガーロの効果・副作用について気になることがある方や薄毛を改善したいと考えている方は、医師に相談してみてはいかがでしょうか。医師に相談したいときは、直接クリニックに行く以外にオンライン診療を受けるという選択肢もあります。オンライン診療なら通院の手間をかけずに医師に質問することが可能です。待合室で知人に会うリスクがないほか、基本的に待ち時間がないため忙しいときでも負担を減らして受診できます。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会