更新日:2026年02月16日
「ミノキシジルタブレットが気になるけど副作用が心配」と考える方もいるかもしれません。ミノキシジルタブレットは強い発毛効果が期待できる一方で、動悸や血圧低下などの副作用のリスクがあり、医師の判断のもと服用することが大切です。
本記事では、ミノキシジルタブレットの効果や副作用、服用する際の注意点を解説します。ほかのAGA治療薬との違いも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
もともとミノキシジルは、高血圧の治療薬としてアメリカで開発された薬です。しかし、服用した患者に多毛の副作用が確認されたことから、AGA(男性型脱毛症)の治療薬として使用されるようになりました。AGA治療薬として承認されているのは外用薬のみで、ミノキシジルタブレットは日本だけでなく世界でもAGA治療薬として承認されていません。
ミノキシジルタブレットは、その作用機序から強い発毛効果が期待されています。一方で、血流に作用するため、動悸やめまい、多毛症などの全身性の副作用が生じる可能性があるでしょう。
ミノキシジルタブレットはインターネット上で販売されていることがありますが、個人輸入や通販での購入は、偽薬を入手する危険性があります。安全かつ効果的にAGA治療を進めるためにも、まずは医療機関を受診し、医師の適切な診断と指導のもとで検討することが重要です。
ミノキシジルタブレットは内服薬として体内から作用するため、局所的に塗布する外用薬よりも高い効果が期待できるといわれています。しかし、即効性があるわけではなく、効果が現れるまでには一定の期間が必要です。
ここでは、ミノキシジルタブレットの効果と実感するまでの期間について解説します。
ミノキシジルタブレットの主な作用メカニズムは、血管拡張による頭皮の血行促進です。ミノキシジルが体内で作用すると、頭皮の血管が広がり、血流が改善されます。その結果、髪の成長に必要な酸素や栄養素が十分に行き渡るようになるでしょう。
頭皮の血流が改善されると、髪の毛の成長に必要な栄養素が毛母細胞に届きやすくなり、休止期にあった毛根が成長期に移行して新しい髪の毛が生えてくる可能性が高まります。血行促進効果によって毛髪の成長サイクルが正常化することで、徐々に髪の毛が発毛すると考えられるでしょう。
ただし、ミノキシジルタブレットによる効果は、すべての人に同じように現れるわけではありません。頭皮の状態や薄毛の進行度、原因によっても効果の度合いは変わってくるでしょう。
ミノキシジルタブレットを服用しても、すぐに効果が現れるわけではありません。個人差はありますが、一般的に効果を実感できるのは、服用開始から3〜6ヶ月後とされています。一定の期間が必要な理由は、ミノキシジルの作用によってヘアサイクルが改善し、古い髪が抜け落ちて新しい髪が生え揃うまでに時間を要するためです。
ミノキシジルタブレットを服用すると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」の症状が現れることもあります。初期脱毛は薬が効き始めているサインであり、弱った古い毛が新しい強い毛に押し出されている現象のため、過度に心配する必要はありません。
効果を焦るあまり自己判断で服用量を増やしたり、不安になってミノキシジルタブレットの服用を中断したりすることは、治療効果を遠ざける原因となるので避けましょう。
ミノキシジルタブレットは発毛効果が期待できる反面、さまざまな副作用が生じる可能性があると理解しておく必要があります。以下の表では、ミノキシジルタブレットの服用によって起こり得る副作用の例をまとめました。
| 副作用の種類 | 症状 |
|---|---|
| 動悸 | 心臓の鼓動が速くなったり、強く感じたりする |
| 血圧低下 | 立ちくらみやめまい、ふらつきなどの症状が現れる |
| むくみ | 顔や手足に水分が溜まりやすくなり、腫れぼったくなる |
| 多毛症 | 頭髪だけでなく、体毛や手足の毛など、全身の毛が濃くなる |
| 肝機能障害 | 肝臓の機能を示すAST・ALTの数値に異常が見られ、倦怠感や黄疸などの症状が現れることもある |

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| 服用開始後、一時的に抜け毛が増えることがあるが、薬が効き始めているサインとされている |
ミノキシジルは血流に作用するため、動悸や血圧低下などの副作用が起こる可能性があります。心臓や血管に持病がある方は、服用前に医師へ相談しましょう。また、頭部以外の体毛も濃くなる「多毛症」が起こったり、顔や手足がむくんだりするといった副作用が起こる場合もあります。
なお、ミノキシジルタブレットによる副作用の発現には個人差があり、すべての人に発生するわけではありません。万が一、ミノキシジルタブレットの服用後に異変を感じた際は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
ミノキシジルタブレットを安全に服用するためには、いくつかの注意点があります。効果を期待するあまり注意点を軽視すると、健康に影響を及ぼす危険性があるため、十分に理解しておきましょう。
ここでは、ミノキシジルタブレットを服用する際の注意点を解説します。
ミノキシジルタブレットは日本国内で薄毛治療薬としての承認を受けていないため、服用する場合は医師の診察を受け、適切な用量や服用方法の指導を受けることが重要です。医師に相談する際は、自身の健康状態や持病、服用中の薬を正確に伝えましょう。
医師は問診や必要に応じた検査を通じて、ミノキシジルタブレットを服用しても問題がないかを判断します。たとえば、健康状態に不安がある場合は低用量から始めたり、別の治療法を提案したりするなど、患者の状態に合わせた対応が可能になるのです。
自己判断での服用は、思わぬ健康被害を招く危険性があります。ミノキシジルタブレットの服用を検討している方は、医師の診察のもと、自身に合った治療薬の処方を受けましょう。
ミノキシジルタブレットは高い発毛効果を期待できますが、服用を避けるべき人もいます。以下の表では、ミノキシジルタブレットの服用を避けるべき人の例をまとめました。
| 服用を避けるべき人の例 | 服用を避けるべき理由 |
|---|---|
| 循環器系に疾患のある方 (不整脈や狭心症、心不全など) | 心拍数の増加や動悸、胸痛などの副作用が現れやすく、既存の心疾患を悪化させる恐れがあるため |
| 血圧に異常のある方 | 血管拡張作用によって血圧が低下する可能性があり、めまいや立ちくらみ、失神などの症状を引き起こすおそれがあるため |
| 肝臓や腎臓の機能が低下している方 | ミノキシジルやその代謝物が適切に処理・排泄されず、体内に蓄積する可能性があるため |
| 高齢者 | 肝機能や腎機能などの生理機能が低下しており、副作用が現れやすくなる恐れがあるため |
| 妊娠・妊娠の可能性がある女性 | 胎児への安全性が確立されておらず、胎児に影響を及ぼす危険性が否定できないため |
| 未成年者 | 安全性や有効性に関する十分なデータが不足しており、予期せぬリスクが起こる可能性があるため |
まず、循環器系に疾患を抱えている方は注意が必要です。ミノキシジルには血管を拡張させる作用があるため、不整脈や狭心症、心不全などの既往がある方は、症状を悪化させるリスクがあります。また、低血圧の方は血圧がさらに低下する危険性があるため、服用には慎重な判断が必要です。
ほかにも、肝臓や腎臓の機能が低下している方や高齢者、妊娠中・妊娠の可能性がある女性なども、ミノキシジルタブレットの服用は避けるべきとされています。
ミノキシジルタブレットを服用するうえで注意したいのが、ほかの薬との飲み合わせです。ミノキシジルタブレットと併用できない薬の例として、以下の種類が挙げられます。
ミノキシジルは血圧を下げる作用があるため、降圧剤を服用している方が併用すると、血圧が下がり過ぎてめまいや失神などの副作用を引き起こす可能性があります。また、血管拡張作用を持つED治療薬にも注意が必要です。
自己判断で複数の薬を併用することは危険なため、ミノキシジルタブレットの使用を検討する場合は、服用しているすべての薬を医師に伝えて適切な判断を仰ぎましょう。なお、薬ではないものの、ミノキシジルタブレットとアルコールの同時摂取も避けるべきとされています。
「安いから」「受診の手間を省けるから」といった理由により、個人輸入や通販サイトでのミノキシジルタブレットの購入を検討される方も少なくありません。しかし、このような入手方法には深刻なリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
個人輸入された医薬品の中には、有効成分が全く含まれていない偽薬や、不純物が混入した粗悪品が紛れ込んでいる危険性があります。誤って偽薬を服用してしまうと、薄毛治療の効果がないばかりか、健康被害に遭うリスクもあるので危険です。
安全かつ確実に効果を得るため、自己判断で薬を購入するのではなく、医師の診察を受けて自身に合ったAGA治療薬を処方してもらいましょう。
個人輸入の危険性については「ミノキシジルの個人輸入は危険?リスクや安全な入手方法を解説」も参考にしてみてください。
ミノキシジルタブレットのほかにも、以下のようにさまざまなAGA治療薬が存在します。
自身の症状や体質に合った薬剤を選ぶためには、各AGA治療薬の特徴を理解することが重要です。ここでは、ミノキシジルタブレットとほかのAGA治療薬との違いを紹介するので、特徴や違いを理解するための参考としてご覧ください。
ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布するタイプの治療薬です。ミノキシジルタブレットと同じ有効成分を含んでいますが、作用の仕方や副作用に違いがあります。ミノキシジルタブレットとミノキシジル外用薬について、以下の表にまとめました。
| 比較する項目 | ミノキシジルタブレット | ミノキシジル外用薬 |
|---|---|---|
| 作用範囲 | 内服薬のため、全身に作用する | 塗布した部分に作用するため、作用範囲は限定的 |
| 効果の強さ | 全身の血流に影響し、強力に作用する可能性がある | 塗布部位にのみ作用するため、比較的緩やか |
| 副作用のリスク | 動悸やむくみ、低血圧、多毛症など、全身性の副作用のリスクがある | かゆみやかぶれ、赤みなど、皮膚の局所的な副作用が挙げられる |
| 使用方法 | 経口で服用する | 1日1~2回、頭皮の薄毛が気になる部位に直接塗布する |
内服薬であるミノキシジルタブレットは全身に作用するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できる反面、全身性の副作用のリスクが高まります。AGA治療の初期段階の方や副作用に不安がある方は外用薬から試すなど、自身の体質や症状に応じて医師と相談しながら治療法を選択しましょう。
ミノキシジルについて詳しく知りたい方は、「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」も参考としてご覧ください。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、ミノキシジルタブレットとは異なるアプローチでAGAを治療します。それぞれの違いを、以下の表にまとめました。
| 比較する項目 | ミノキシジルタブレット | プロペシア(フィナステリド) |
|---|---|---|
| 主な効果 | 血流を改善し、毛母細胞を活性化させて発毛を促進 | AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑え、抜け毛を抑制 |
| 副作用のリスク | 全身性の副作用のリスクがある | 性機能に関する副作用や肝機能障がいなど |
| 果が現れるまでの期間 | 個人差はあるが、一般的に3〜6ヶ月程度 | 個人差はあるが、一般的に6ヶ月程度 |
フィナステリドは、AGAの主な原因である男性ホルモンのDHTの生成を抑制する働きがあります。DHTとは、髪の成長期を短くして抜け毛の増加を招く悪玉ホルモンです。
ミノキシジルタブレットが「発毛」を促進する薬であるのに対し、プロペシアは「抜け毛の進行を抑制」する薬とされています。積極的に髪を増やしたい場合は、プロペシアとミノキシジルタブレットを併用する治療法もあるので、気になる方は医師に相談しましょう。
プロペシアについては「プロペシアの効果とは?効き目が出るまでの期間や副作用を解説」も参考にしてみてください。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは、プロペシア(フィナステリド)と同様にAGAの原因となるDHTの生成を抑制する薬です。以下の表では、ミノキシジルタブレットとザガーロについてまとめました。
| 比較する項目 | ミノキシジルタブレット | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 主な効果 | 血流を改善し、毛母細胞の活性化させて発毛を促進 | プロペシア(フィナステリド)よりも強力にDHTの生成を抑え、抜け毛を抑制 |
| 副作用のリスク | 全身性の副作用のリスクがある | 性機能に関する副作用や肝機能障がいなど |
| 効果が現れるまでの期間 | 個人差はあるが、一般的に3〜6ヶ月程度 | 個人差はあるが、一般的に6ヶ月~1年程度 |
フィナステリドがDHTを生成する酵素5αリダクターゼのII型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害するため、効果も高いとされています。抜け毛の進行を抑えるザガーロとミノキシジルタブレットを併用することで、抜け毛予防と発毛促進の両面からアプローチできます。
ただし、副作用のリスクもあるので、医師に相談のうえ、自身の症状や体質などに合った治療薬を選ぶことが大切です。
ザガーロについて詳しくは「ザガーロの効果はいつから?副作用やプロペシアとの違いを解説」も参考にしてみてください。
ここでは、ミノキシジルタブレットに関してよくある質問を、Q&A形式でまとめました。ミノキシジルタブレットの服用を検討している方や詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ミノキシジルタブレットは保険適用外の自由診療となるため、薬の価格はクリニックによって異なります。以下の表では、ミノキシジルタブレットの価格の目安を用量別にまとめました。
| ミノキシジルタブレットの用量 | 価格の目安(30錠あたり) |
|---|---|
| 2.5mg | 3,000~4,200円 |
| 5mg | 3,500~6,000円 |
| 10mg | 4,000~7,700円 |
なお、クリニックではミノキシジルタブレットの費用に加えて、初診料や再診料、検査料などが別途かかる場合があります。また、ほかのAGA治療薬との併用や頭皮ケア製品をセットにしたプランを提案されることもあるので、トータルのコストを把握しておくことが大切です。
初診料・診察料が無料であったり、費用が安くなるセットプランを用意していたりするクリニックもあるので、自身に合った治療プランと費用について確認してみると良いでしょう。
ミノキシジルタブレットは1日1錠、水またはぬるま湯で服用します。服用する時間について、明確な決まりはありません。しかし、薬の血中濃度を安定させ、ミノキシジルタブレットの効果を得るためには、毎日できるだけ決まった時間に服用することが推奨されます。
ミノキシジルタブレットは血液に作用するため、食前・食後を問わず服用可能です。たとえば、朝食後や就寝前など、自身のライフスタイルの中で飲み忘れにくい時間帯を選ぶのが良いでしょう。
飲み忘れが多いと効果が十分に得られなかったり、血中濃度が不安定になることで副作用が強く出たりする可能性もあるので注意が必要です。飲み忘れたときは二日分をまとめて服用するのは避け、次の通常の服用時間まで待ってから服用しましょう。
ミノキシジルタブレットの服用を自己判断でやめてしまうと、せっかく改善された薄毛の状態が再び進行してしまう可能性があります。AGAは進行性の疾患であり、薬の作用によって発毛効果や進行抑制効果が保たれているため、服用をやめることで薬の効果は徐々に失われていくのです。
服用中止後の変化には個人差がありますが、一般的には6ヶ月ほどで服用前の状態に戻るケースが多いとされています。経済的な理由や副作用などによって、ミノキシジルタブレットの治療法を継続するのが難しい場合は、自己判断で中断するのではなく、医師に相談しましょう。
ミノキシジルをやめた場合については「ミノキシジルをやめるとどうなる?使用を中止する際の4つの判断基準」も参考としてご一読ください。
ミノキシジルタブレットは強い発毛効果が期待できる反面、動悸や血圧低下、多毛症といった全身性の副作用が起こる可能性があります。そのため、循環器系に疾患のある方や血圧に異常のある方は、服用を避けるべきといえます。
個人差はあるものの、ミノキシジルタブレットの効果を実感するには、3〜6ヶ月程度の継続服用が必要です。服用後は一時的に初期脱毛が起こる場合もありますが、薬が効き始めているサインといえるため、過度に心配する必要はありません。
費用を抑えるために個人輸入や通販でミノキシジルタブレットを購入すると、偽薬のリスクや健康被害が生じる危険性があるので避けましょう。安全にAGA治療を行うためにも、医師の診察を受け、自身の症状や体質、予算に合った治療薬を処方してもらうことが重要です。