更新日:2026年03月05日
「体毛が濃いとはげる?」と気になっている方もいるかもしれません。体毛を濃くするホルモンと薄毛(AGA)の原因となるホルモンは異なり、体毛が濃い人であっても必ずはげるとは限らないでしょう。
本記事では、体毛の濃さや薄毛に関わる男性ホルモンについて解説するほか、薄毛・AGAになりやすい人の特徴を紹介します。AGAの治療薬についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
体毛が濃いからといって、必ずしもはげるとは限りません。ここでは、体毛の濃さと薄毛の関係について解説します。
体毛の濃さは、主にテストステロンというホルモンの影響を受けています。テストステロンは男性ホルモンの一種で、思春期に分泌量が増加し、一般的に20代~30代でピークを迎えます。テストテロンは体毛の成長を促進するとともに、男性らしい骨格や筋肉の発達にも影響を与えるホルモンです。
体内でテストステロンの分泌量が多い方は、体毛が濃くなる傾向があるでしょう。詳しくは「テストステロンとは?もたらすメリットや増やすためのセルフケアを紹介」をご一読ください。
成人男性の薄毛は、主にAGA(男性型脱毛症)によって引き起こされます。AGAの原因となるのが、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)です。
DHTは、テストステロンと5αリダクターゼという酵素が結合することで生成されます。DHTの作用によって髪の成長期が短縮されることで、髪が太く長く育つ前に抜け落ち、薄毛が進行します。ジヒドロテストステロンについて詳しくは「ジヒドロテストステロンとは?抑制する3つの方法も紹介」をご確認ください。
親族に薄毛の人がいる人や生活習慣が乱れている人は、薄毛になりやすい傾向があります。ここでは、薄毛・AGAになりやすい人の特徴を見ていきましょう。
AGAの発症は、遺伝が影響します。親族に薄毛の方がいる場合、はげるリスクが高いと考えられるでしょう。特に、母方の祖父や曽祖父にAGAの人がいる場合は、遺伝する可能性があります。
遺伝する要素の一つは、アンドロゲン受容体の感受性です。アンドロゲン受容体の感受性が高いとDHTの影響を受けやすく、ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行しやすくなります。
薄毛が気になり始めた段階での早期治療によって、AGAの進行を抑えることが可能です。親族にAGAの人がいて自身の薄毛の進行に不安を感じたときは、早めに医師に相談しましょう。
不規則な生活習慣は、髪の毛の成長に必要な栄養供給やホルモンバランスの乱れを招き、はげるリスクを高める可能性があるでしょう。偏った食事は髪の主成分であるタンパク質や髪の生成に必要な亜鉛、ビタミンなどの栄養素不足を招きます。栄養バランスの偏りによって、健康な髪が育ちづらくなるでしょう。
また、睡眠の質の低下は、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは深い睡眠時に分泌されるので、質の悪い睡眠を続けていると、健康な髪が育ちづらくなるでしょう。厚生労働省の「知っているようで知らない睡眠のこと」によると、就寝1時間前からスマートフォンの使用を控えたり、日中に適度な運動を取り入れたりすることで睡眠の質を高められます。
参考:厚生労働省「睡眠」
頭皮環境の悪化は、はげる要因となります。肌に合わないヘアケア用品の使用や間違った洗髪方法は頭皮環境の悪化を招き、健康な髪が育ちにくくなったり抜け毛が増加したりする可能性があるでしょう。
たとえば、頭皮の皮脂は洗い流し過ぎると乾燥を招き、頭皮トラブルにつながるリスクがあります。1日に何度もシャンプーすることはせず、1日1回、夜にシャンプーするのがおすすめです。そのほか、洗髪後のすすぎが不十分だと、シャンプーの成分が頭皮に残って炎症を引き起こす可能性があります。頭皮の健康を保つためには、時間をかけて丁寧にすすぐことが大切です。
日々の仕事や人間関係などによってストレスが溜まると、自律神経が乱れて交感神経が優位になり、頭皮の血行が悪くなる恐れがあります。その結果、髪の毛に栄養が届きにくくなり、健康な髪が育ちづらくなる可能性があるでしょう。
健康な髪を維持するためには、ストレス管理が大切です。たとえば、趣味の時間を確保して気分転換することが効果的でしょう。そのほか、深呼吸や瞑想を日常生活に取り入れるのもおすすめです。
ストレスをゼロにするのは難しくても、うまく付き合っていく方法を見つけることで、薄毛のリスクを減らせます。自分に合ったストレス発散法を見つけて実践してみましょう。


この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「抜け毛が増えた」「髪が細くなった」は薄毛が進行しているサインです。生え際の後退や頭頂部の薄毛もAGAの初期症状として挙げられます。薄毛の症状が気になるときは医師に相談しましょう。
AGAによる薄毛は、クリニックで適切な治療を受けることで改善を図れます。ここでは、AGA治療薬について解説します。
フィナステリドは、AGAの進行を抑制する内服薬です。AGA治療薬として認可されており、薄毛の原因物質であるDHTの生成を抑制する効果があります。
具体的には、テストステロンをDHTに変換する5αリダクターゼII型の働きを抑制し、抜け毛の増加を防ぐ仕組みです。DHTの生成を抑制してヘアサイクルを正常化することで、次第に髪が太く長く育つようになります。効果を維持するためには、1日1錠を継続的に服用することが必要です。
フィナステリドは、性欲減退や勃起不全などの副作用が報告されています。医師の処方のもと用法・用量を守って正しく服用し、気になる症状が出た際は医師に相談しましょう。フィナステリドについて詳しくは「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」の記事をチェックしてみてください。
デュタステリドもAGA治療薬として認可されており、フィナステリドよりも強力にAGAの進行を抑えることが期待できる内服薬です。フィナステリドが5αリダクターゼII型のみを抑制するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害してより広範囲に作用します。
デュタステリドは、1日1錠を継続的に服用することで効果を得られます。デュタステリドも性欲減退や勃起不全などの副作用が報告されているため、気になる症状が出たときは医師に相談しましょう。デュタステリドについては「デュタステリドとは?フィナステリドとの主な違いを解説」の記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、血流改善によって発毛を促進する効果が期待できます
ミノキシジルは、頭皮に直接塗布する外用薬と、錠剤を服用する内服薬があります。ミノキシジル外用薬は日本国内で承認されており、ドラッグストアでも入手できる治療薬です。1日2回、頭皮の薄毛が気になる部分に塗布します。起こりうる副作用は、皮膚のかゆみや赤みなどです。
内服薬は1日1錠を服用します。発毛を促進する効果が期待できますが、AGA治療薬として日本国内では未承認で、あくまでも専門医の管理下で行われる適応外使用である点に留意しましょう。起こりうる副作用は、多毛症や動悸などです。
ミノキシジルについて詳しくは「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」の記事を参考にしてみてください。
体毛が濃いからといって、必ずはげるわけではありません。体毛の濃さは主にテストステロンというホルモンの影響を受けますが、AGAの原因はDHTです。テストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変換され、ヘアサイクルの成長期が短縮することでAGAが進行します。
薄毛になりやすい人の特徴としては、「親族に薄毛の人がいる」「生活習慣が乱れている」「頭皮環境が悪化している」などが挙げられます。AGAによる薄毛は早期治療が大切なので、気になる症状があるときはクリニックを受診して医師に相談しましょう。