更新日:2026年04月03日
「最近、つむじが目立つ気がする」と不安を感じている方もいるかもしれません。つむじはげは男性ホルモンの量や遺伝が主な原因です。また、生活習慣の乱れ、ストレスなどが頭皮環境を悪化させ、一時的に抜け毛が増えることもあります。正しく対処すれば、改善する可能性が考えられます。現状を理解し対策を知りましょう。
本記事では、つむじはげの基準や見分け方、その原因、効果的な治療法などを解説します。
つむじはげとは、頭頂部付近に見られる薄毛のことです。頭のてっぺんがはげるため、てっぺんはげとも呼ばれます。
つむじはげは、男性ホルモンの影響が強いため、男性に多く見られます。また、年齢に関係なく進行する場合があり、若い方も要注意です。つむじはげによって、頭頂部の薄毛が目立つようになると、外見について悩みを抱える方も少なくありません。
つむじはげとつむじ割れは、見た目が似ていますが、実際の毛量に違いがあります。

つむじはげは、頭頂部周辺の毛量が減少した状態を指し、多くの場合は時間の経過とともに進行していきます。ご自身で髪に触れると、ボリュームの低下を感じられることが多いでしょう。
一方、つむじ割れは薄毛や脱毛症ではなく、主に毛の質や生え癖などによって、つむじが割れて見える状態です。つむじ周辺の髪の生え方などが原因で、自然と頭皮が見えやすくなっている状態を指します。髪の分け方を変えるなどのヘアセットによって、改善することが多いのが特徴です。
つむじはげかどうかを判断する基準には、以下の3つのポイントが挙げられます。
また、具体的なつむじはげのサインは以下のとおりです。
これらの変化は急激に起こるというよりも、徐々に進行していくため、自覚しにくいこともあります。頭頂部の髪が薄くなる過程には個人差がありますが、これらのサインに心当たりがある場合は、つむじはげの可能性を考慮したほうが良いでしょう。
自分でつむじはげかどうかを見分ける方法はいくつかあります。最も手軽な方法は、合わせ鏡やスマートフォンのカメラを使用して、頭頂部を見て確認することです。
見分け方の手順は、以下のとおりです。
比較の際は、前述した判断基準(頭皮の透け具合、ボリュームの減少、頭皮の色の変化)に当てはまるかを確認しましょう。変化の比較に困ったら、昔の写真と見比べることもおすすめです。
すべての基準に該当しなくても、複数の項目に当てはまる場合は、つむじはげの初期段階である可能性があります。自己判断が難しいと感じる方は、薄毛専門クリニックに相談することで、より正確な診断ができるでしょう。
つむじはげの進行は、一般的に次の3段階で進みます。

表を見てわかるように、つむじはげを放置すれば薄毛の範囲が広がります。状況によっては、治療が難しくなる場合もあります。そのため、長期間の様子見は避けたほうが良いでしょう。
一方、初期段階で気づき、適切に対応できれば、進行を緩やかにできる可能性が高くなります。少しでも気になる変化があれば、早めの薄毛専門クリニックへの受診をおすすめします。早期対応こそが、髪の健康を守る鍵となるのです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)

つむじはげの原因がAGAだった場合、進行する可能性があるため、早めに診察してもらいましょう。AGAかどうかご自身で判断がつかない場合も、まずはお気軽にご相談ください。
つむじはげの主な原因は、ヘアサイクルの乱れです。ヘアサイクルとは、髪の毛一本一本が繰り返す成長サイクルのことで、成長期・退行期・休止期という流れで進行します。

つむじのある頭頂部は、男性ホルモンの影響を受けやすく、ヘアサイクルが正常に機能しないことがあります。成長期が短くなったり、休止期が長くなったりすることで、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまうのです。その結果、髪が細く短くなり、薄毛に見える場合があります。
ここでは、ヘアサイクルが乱れる原因を具体的に解説しましょう。
つむじはげの主な原因であるAGAは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)によって引き起こされます。ジヒドロテストステロン(DHT)の濃度が高いほど、抜け毛が懸念されるのです。
体内では、テストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼという酵素と結びつくことで、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。そのジヒドロテストステロン(DHT)が、毛根内部の毛乳頭細胞にある受容体(レセプター)と結合し、ヘアサイクルが乱れます。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、頭頂部の毛根に作用しやすく、つむじはげへと発展する場合が多くなるのです。
AGAと男性ホルモンの関係について、詳しくは「AGAと男性ホルモンの関係は?AGAの原因と対策5選」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
つむじはげには、遺伝的な要素も関わっています。5αリダクターゼの働きと毛乳頭細胞にある受容体(レセプター)の数は、遺伝で決まることが報告されているからです。
5αリダクターゼの働きと受容体(レセプター)の数は、ジヒドロテストステロン(DHT)への変換を促すため、薄毛の原因となります。つまり、親族に薄毛の方がいる場合、自身もつむじはげになる可能性が高まるのです。
特に、母由来X染色体(男性ホルモン受容体遺伝子)の関与が示唆されていますが、父母双方の複数の遺伝的要因が関与するとされています。親族に薄毛の傾向があり不安な場合は、早めに予防策を講じることが望ましいでしょう。
AGAと遺伝の関係について、詳しくは「AGAと遺伝との関係性を解説!薄毛の原因や対処法も紹介」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
生活習慣や精神的ストレスは、つむじはげの直接的な原因というより、間接的な要因として作用します。乱れた生活習慣や過度な精神的ストレスは、健康な髪の成長を阻害する恐れがあるため、無視できない大切な要素です。
乱れた生活習慣として、コレステロールを多く含む脂質の多い食生活は、体全体の血流を悪化させ、同時に頭皮の血行不良につながることもあります。頭皮の血行不良は、髪への栄養素補給を妨げてしまい、薄毛に移行する可能性も考えられるのです。
また、多くの成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、睡眠が不足することでも健全な髪の成長が損なわれるかもしれません。
さらに、過度な精神的ストレスは体内のホルモンバランスを乱し、髪の成長へ悪影響を及ぼすことがあります。一見、髪とは無関係に思える生活習慣も、実際には髪の健康に深く影響していることを理解しておきましょう。
薄毛と生活習慣の関係について、詳しくは「薄毛は生活習慣で改善できる?薄毛を予防・改善するための生活習慣とは?」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
原因にもよりますが、つむじはげは基本的に自然に治る可能性が低く、放置すればさらに進行していくことがほとんどです。しかし、適切な治療を行えば、進行を抑制できる可能性があります。
まずは、薄毛専門クリニックでの受診がおすすめです。医師は症状や進行状態を正確に判断し、一人ひとりに合った治療法を提案してくれます。症状や原因によって、効果的なアプローチは異なるため、医師のアドバイスを受けることが大切なのです。
つむじはげの治療で一般的なのは、内服薬や外用薬による投薬治療と自毛植毛という外科的な手法です。
ここでは、それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
つむじはげの治し方について、詳しくは「つむじはげ(頭頂部の薄毛)の治し方は?隠す方法や判断基準・原因も紹介」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
つむじはげの原因が男性ホルモンの影響である場合、男性型脱毛症、通称AGA(Androgenetic Alopecia)の可能性があります。
AGA治療においては、投薬治療が一般的なアプローチになります。主に使用される薬剤は、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどです。これらの薬剤は基本的に医師の処方が必要です。
また、効果には個人差があるほか、副作用が起こる可能性もあるため、医師の指導のもとで適切に使用することが望ましいでしょう。
それぞれの治療薬について、以下で解説します。
フィナステリドは、AGA治療に使われる代表的な内服薬です。
独立行政法人 医療品医療機器総合機構の「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 劇薬、処方箋医薬品 フィナステリド錠」を参考にして、以下の表に効果などをまとめました。
| 効果・効能 | 男性型脱毛症の進行遅延 |
|---|---|
| 作用機序 | テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を防ぐため、5αリダクターゼ2型を抑制する |
| 効果の発現時期 | 通常6ヶ月以上の服用が必要である |
参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 劇薬、処方箋医薬品 フィナステリド錠」
フィナステリドは、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑える働きがあるため、つむじはげの進行を遅らせる効果が期待できます。ただし、すでに失われた髪を回復させる作用はないため、早めの治療開始が望ましいでしょう。
参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 劇薬、処方箋医薬品 フィナステリド錠」
デュタステリドは、フィナステリドと同じくAGA治療の代表的な内服薬ですが、作用機序がやや異なります。独立行政法人 医療品医療機器総合機構の「5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 劇薬、処方箋医薬品 デュタステリド製剤」を参考にして、以下の表に効果などをまとめました。
| 効果・効能 | 男性型脱毛症 |
|---|---|
| 作用機序 | テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を防ぐため、5αリダクターゼ1型および2型を抑制する |
| 効果の発現時期 | 通常6ヶ月以上の服用が必要である |
参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 劇薬、処方箋医薬品 デュタステリド製剤」
フィナステリドが5αリダクターゼ2型のみを抑制する一方で、デュタステリドは5αリダクターゼ1型および2型の働きを抑えます。つまり、デュタステリドのほうが広範囲に効果が期待できるのです。そのため、フィナステリドで効果が見られなかった場合に、デュタステリドの服用が検討されることがあります。
参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 劇薬、処方箋医薬品 デュタステリド製剤」
ミノキシジルは、内服薬と外用薬の両方の形態がある治療薬です。特徴として、ほかの治療薬のようなジヒドロテストステロン(DHT)の抑制ではなく、血流改善によって直接的に発毛を促す点があります。また、毛母細胞を活性化させ、太く長い毛へと育てる効果が期待できます。
フィナステリドやデュタステリドと併用することで、「抜け毛を減らしながら発毛を促進する」という総合的なアプローチが可能です。
| 効果・効能 | 発毛促進 |
|---|---|
| 作用機序 | 血管を拡張させ、頭皮の血流改善を行い、毛母細胞の活性化も期待できる |
| 効果の発現時期 | 個人差があるが、一般的に3~6ヶ月の使用が必要である |
なお、ミノキシジル外用薬は厚生労働省に認可されていますが、内服薬については未だ認可にいたっていません。長期的な安全性データが蓄積段階にあるため、2026年2月時点の国内ガイドラインでは推奨対象外となっています。
投薬治療には、副作用のリスクがあるため、医師と相談しながら自身に合った治療法や投与量を決めていくことが重要です。
AGA治療薬について、詳しくは「AGA治療薬の種類や効果は?副作用のリスクと自分に合った選び方を解説」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。

AGAには投薬治療が欠かせません。薬の服用などでお悩みがあれば、気軽にご相談ください。AGAは進行性のため、早めの治療が肝心です。
自毛植毛とは、自身の髪を薄毛の部位に移植する外科的治療法です。つまり、健康な毛髪が育っているほかの部位から髪を採取し、つむじはげの薄毛部位に移植するのです。
自分の髪を使用するため、拒絶反応が起きにくく、自然な仕上がりが期待できるメリットがあります。また、一度定着した髪は長期間維持されることが多いといわれています。
ただし、手術費用が高額になる可能性や数週間の回復期間も必要というデメリットもあり、注意が必要です。
つむじはげを治すには、投薬治療や自毛植毛などの選択肢があることがわかりました。AGAの場合、自然治癒が難しくクリニックでの治療が必要です。治療と並行したうえで、健康な髪のために、日頃の生活でも注意した方がいい点があります。 ここからは、つむじはげの治療と並行したいセルフケア方法を3つ紹介します。
健康な髪を維持するためには、規則正しい生活習慣が欠かせません。特に重要なのは、栄養バランスの取れた食事、良質で十分な睡眠、適度な運動です。 髪の成長に必要な栄養素として、たんぱく質や亜鉛などのミネラル類、ビタミンB群などが挙げられます。たとえば、鶏むね肉や大豆製品、ほうれん草、アボカドなどです。これらの栄養素をバランス良く摂取することが望ましいでしょう。 また、睡眠の質も髪の健康に密接に関わっています。睡眠中に、健康な髪をサポートする成長ホルモンが分泌されるからです。寝る前のスマートフォンの使用は、ブルーライトによって睡眠の質を低下させる可能性があるため、控えめにして早めに就寝するよう心がけましょう。
ストレスはAGAに直接影響しないものの、ストレスによって引き起こされる自律神経の乱れや睡眠の質低下などは、頭皮環境の悪化につながりかねません。 ストレスで自律神経が乱れると、血行不良を引き起こす可能性があります。また、睡眠の質低下は、成長ホルモン分泌を妨げる要因の一つです。このように、ストレスが間接的に髪の健康に悪影響を及ぼすこともあります。 効果的なストレス解消法は、人それぞれ異なります。たとえば、趣味に没頭する、軽い運動をする、瞑想や深呼吸を行う、十分な休息を取るなど、自分に合った方法を見つけることが大切です。ストレスを完全になくすことは難しくても、うまく付き合っていく術を身につけることで、心身の健康を守りましょう。
健康な髪を育てるためには、頭皮環境を整えることが基本です。日々のケアで実践したいポイントをいくつか紹介します。
まずは、正しいシャンプーの方法を身につけましょう。おすすめのシャンプー方法は以下のとおりです。
ポイントは、38度程度のぬるま湯を使用する点です。熱すぎるお湯は頭皮に必要な油分まで洗い流してしまい、乾燥の原因になります。また、シャンプーを直接頭皮につけるのではなく、あらかじめ泡立ててからつけると、より頭皮に優しく洗えるでしょう。
正しいシャンプー方法について、詳しくは「シャンプーが禿げる原因に?AGA・薄毛対策になる正しいシャンプー方法」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
人によっては頭皮の保湿が必要になることもあります。特に、シャンプー後の頭皮は乾燥しやすいため、頭皮用保湿ローションの使用がおすすめです。
そして、頭皮ケアで忘れてはいけないのが、シャンプー後の念入りなドライヤーです。髪を濡れたまま放置すると、頭皮内に雑菌が繁殖し、頭皮トラブルに発展する恐れがあります。ドライヤーで十分に髪を乾かすことが大切です。ドライヤーを行うときは、頭皮のダメージを避けるため、温度を低温から中温に設定し、適度な距離を保って乾かすようにしましょう。
以上の日常的なケアは健康的な髪の成長をサポートするために、大切な事柄です。
しかし、つむじはげの直接的な改善にはつながりません。つむじはげが気になる方は、薄毛専門クリニックを受診しましょう。気軽に相談から始めてみるのも良いでしょう。
つむじはげとは、頭頂部付近に見られる薄毛を指します。判断基準として、頭皮が透けて見えるか、髪のボリュームが減少していないか、頭皮に赤みがあるかなどを確認しましょう。
つむじはげの原因は、男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の量や遺伝、生活習慣の乱れなどがあります。つむじはげを治すには、投薬治療、自毛植毛が効果的です。AGAが原因のつむじはげの場合、投薬治療が基本となります。
また、規則正しい生活習慣や頭皮ケアなどもつむじ周り含めた頭皮環境の維持に重要です。ただし、AGAによるつむじはげの場合は自然治癒が難しく、放っておくと薄毛が進行する可能性が高いため、早期の薄毛専門クリニックへの受診がおすすめです。